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視力検査の最低限のやり方は聞いたけど、経験がないから本当にこれでいいのかわからない…
検査経験ゼロ、眼科知識ゼロで任される視力検査ほど怖いものはありませんよね。
そんな状況でお困りの眼科看護師のために、即戦力になる視力検査の流れと注意点を解説します。
結論としてはオートレフ値・前回値をそのまま入れればOKですが、今回はさらに精度を上げるコツも載せています。
この記事を書いた人
※本記事は眼科検査の経験がない看護師が、臨床で即戦力になるために構成されています。経験のある視能訓練士にとって理屈に合わない点もあるかと思いますが、ご理解頂けますと幸いです。
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①視力検査に必要な度数
※乱視(C)と軸(A)は必ずセット
②測定結果の信頼度合い
③角膜の情報
④左右の瞳孔の距離
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初めに行なうのが「オートレフラクトメータ(以下オートレフ)」です。
オートレフの目的は患者さんの屈折度(目の度数)を把握し、その値を参考に視力検査をすることです。
以下の3つのタイプに分けて測定のポイントを解説します。
タイプ①若い世代の場合
若い世代のオートレフ測定は比較的簡単ですが、器械内部を覗くと起こるニセの近視(器械近視)に注意が必要です。
器械近視の影響を受けると、測定結果が本来の目より近視寄り(マイナスの数字が増える)になり、正確な視力検査をしにくくなります。
測定時はできるだけ器械近視が入らないように
「ぼんやりと赤いところを見ていて下さい」
「なるべく遠くを見るようにして下さい」
などと声掛けをし、力を抜いて見てもらうことが大切です。
タイプ②高齢者の場合
高齢者は理解力が乏しかったり、固視(一点をじっと見つめること)が苦手だったりするので、
を一つずつていねいに誘導し、
「赤い気球をしっかり見て下さい」
と促します。
高齢者はニセの近視(器械近視)の影響を受けないので、「ぼんやり見て下さい」等の声かけは不要です
タイプ③小児の遠視の場合
子どもはただの近視だったり弱視治療中だったりさまざまなので、オートレフを測定する前に以下の3パターンを考慮して下さい。
(1)初診で眼鏡をかけていない子ども
そのままオートレフを測定する
(2)初診で眼鏡をかけている子ども
オートレフを測定する前に、保護者に「この眼鏡は近視ですか、遠視ですか?」と聞く。
(3)再診の子ども
前回の値、診断名から状況を把握する(ただの近視か弱視治療中か)
弱視治療中の場合は絶対に眼鏡を外してはいけないので、オートレフを測定せず視能訓練士に声をかける
検眼枠の選定に必要なのが瞳孔間距離(PD)です。
検眼枠は2mm刻みなので、PD=62と記載があれば62mmの検眼枠を使い、PD=61mmと記載があれば60mmか62mmを使います。
最後に忘れてはいけないのが「片眼遮蔽」です。
遮蔽板を検査しない方の目に挿入し、必ず片眼を遮蔽してから視力検査をします。
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視力検査は必ず患者さんの目を見ながら行います。
目を細めて見えたものは視力として正確な値ではないため、もし目を細めて見ていた場合、
「細めずに見て下さい」
「目はなるべく大きく開けて下さい」
などと声掛けをしながら行なって下さい。
大事なのは裸眼視力より矯正視力なので、裸眼視力測定に時間をかけすぎないようにして下さい。
裸眼視力の目安(あくまで参考程度)
裸眼視力の目安 | オートレフの値 |
0.1未満 | -2.00D前後~ |
0.1~0.3未満 | -1.50D前後 |
0.4~0.6 | -0.50D前後 |
0.7~ | -0.25D前後 |
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次に遠視、近視、乱視の矯正を行ないます。
筆者の経験から
(A)とにかく早く視力検査を終わらせたい場合
(B)なるべく精度も上げて検査したい場合
に分けました。
なお、乱視矯正はオートレフ値または前回値をそのまま使用して下さい。
(A)とにかく早く検査を終わらせる方法
*施設によって異なる
オートレフ値 (または前回値) | S-3.50 C-1.50 Ax90° |
入れるレンズ | S-3.50 C-1.50 Ax90° |
視力が1.0または前回値まで出にくい場合
オートレフ値 (または前回値) | S-3.50 C-1.50 Ax90° |
①S+0.25D | S-3.25 C-1.50 Ax90° |
②S-0.25D | S-3.75 C-1.50 Ax90° |
(B)少しでも精度を高める方法
*施設により異なる
オートレフ値 (または前回値) | S-3.50 C-1.50 Ax90° |
①S+0.50D | S-3.00 C-1.50 Ax90° |
③S-0.25D | S-3.25 C-1.50 Ax90° |
⑤S-0.25D | S-3.50 C-1.50 Ax90° |
⑧S-0.25D (ここで終了) | S-3.75 C-1.50 Ax90° |
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検眼レンズと瞳孔中心が一致しているか必ず確認すること!
見落としがちですが、検眼枠がずれていたり検眼枠のPDと患者さんのPDがずれていると、度数が合っていても視力が出にくくなります。
特に度数が強い人ほど少しのずれでも視力が上がりにくくなるので、必ずレンズと瞳孔の中心が重なっているか確認して下さい。
顔の形状や鼻梁の高さによりきちんと掛けられない場合は、横から軽く支えてあげて下さい。
本人に検眼枠をかけてもらう、または本人に支えていてもらう際は、ずれがないかだけ忘れずに確認して下さい
視力検査は難しく見えますが、オートレフの精度が高くなっているため、オートレフ値を利用すればだいたいすぐに終わります。
レンズを足したり引いたりが複雑かもしれませんが、視力が出にくい場合は一度試してみて下さい。
目を細めていないか、検眼枠がずれていないかだけ、常に注意して行ないましょう。
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