今の職場に悩んでいたら・・・
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プリズム眼鏡を合わせる手順がわからなくて困っています
プリズム眼鏡は一見難しそうに見えます
が、手順とポイントをマスターしておけば
そんなに難しくありません。
まずは検査から処方までの大まかな流れ
を把握して、患者さんの二重に見える
という不快な症状を取り除くお手伝いを
していきましょう。
プリズム眼鏡で症状が改善すれば、患者さんにとても喜ばれます。
頑張ってマスターしましょうね
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患者さんによって主訴の表現方法は
さまざまです。
慣れると、「あっ!プリズムかも!」とピンとくるようになりますよ
視力検査や眼位検査をしてみると、
プリズムが必要なかったということ
は多々あります。
しかし、上記の表現が出た時には、
「プリズム眼鏡かも」と意識して
おくと慌てずに済みますよ。
一番よくあるのが
という表現です。
片眼では1つに見えるけど、両眼になると2つに見える
というのであれば、斜視が出ている
可能性が大です。
逆に片眼でも2つ(単眼複視)という
場合は、視力検査で
といった見極めが必要ということを
意識して下さい。
はっきりとした複視は出ないけど、
斜視によってピントが合いにくく
なったり、ぼやけたりすることが
あります。
上記のような表現が出たら、次の
2点を忘れないようにして下さい。
頭の片隅で眼位検査のことを意識しておくといいですね
などの表現の時もプリズム眼鏡が
適応になることがあります。
例えば、間欠性外斜視がある場合です。
phoria(正位)にすることが出来ても、
tropia(斜視)の角度や頻度によっては
違和感や疲れ、頭痛がすることがあります。
また、普通の眼鏡合わせで症状が改善
しない場合に、斜視を疑うのも一つ
のポイントです。
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患者さんにより適したプリズム眼鏡を
合わせるために、必要な問診をとります。
いつから発症したのか
まずはいつから発症したのかを聞きます。
「今朝から」「2、3日前から」など急に
発症した斜視は、脳内に異常が起こって
いる場合があるので診察が優先です。
時期によっては症状が変動することがある
ので、半年以上症状が固定しているなど、
プリズム眼鏡を合わせてもいいタイミング
なのかを知るためにも発症時期は重要です。
片眼で二重なのか両眼で二重なのか【特に重要】
片眼で二重なのか両眼で二重なのかを
聞きます。
「片眼ずつ見た時は1つですか、両眼で見た時だけ2つになるのですか?」
としっかり確認します。
両眼で二重に見えている場合のみ
プリズム眼鏡が適応になるので、
この項目は一番重要です。
もし片眼で二重に見えるようなら、
もう一度視力検査に戻って、
完全矯正値を再確認します。
完全矯正をしても単眼複視が消失
しない場合には不正乱視の可能性が
あり、プリズム眼鏡は不適応です。
乱視が合っていなくて二重に見えていた・・・なんてことも多々あります
単眼複視、両眼複視の両方を併発している場合もあります!
しっかりと患者さんの自覚応答を
確認しながら検査を行ってください。
上下、水平、斜め、傾きなど複視の見え方はどうなのか
上下、水平、斜め、傾きなど、
どの方向にズレるのか、自覚的な
複視の見え方を確認します。
線の広がり(斜めに広がる)や傾き
などはプリズムでは矯正出来ないので
注意が必要です。
どこを見た時に二重になるのか
次に、見る距離や、眼の向きによって
複視の状態が変わるのかを確認します。
などを確認します。
この問診によって、遠用、近用の
どちらが必要か、プリズム眼鏡が
適応かどうかが分かります。
症状に変動はあるか
症状に変動があるかどうかも重要な
ポイントです。
を聞きます。
変動があるうちは、プリズム眼鏡が
合う日、合わない日が出てくるので
不適応になります。
発症から日が浅い場合は、症状が変動
したり、自然治癒したりする場合もある
ので経過観察が必要です。
眼位異常が出やすい全身疾患はあるか
眼位異常が出やすい全身疾患があるか
どうかも聞いておくと参考になります。
など
過去の既往であれば症状が固定している
こともあります。
疾患の状態によって眼位が変動すること
があるので、医師と相談しながら処方を
行なって下さい。
他科との連携が必要になってくる場合もあります
手術希望の有無(手術適応の場合)
手術適応かつ手術希望の場合は、
手術後にプリズム眼鏡が合わなく
なるので、処方を見送る可能性
があります。
手術を希望しない、または手術まで
かけるプリズム眼鏡を希望した場合は、
処方を検討する流れになります。
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プリズム度数を決定するための
眼位検査は以下の手順で行ないます。
作製するプリズム眼鏡がどのようなものになるか、目処をつけながら測定すると効率がよくなりますよ
まずは目視
まずは目視です。
以下のポイントを意識し、
融像を壊さない自然な状態を把握
します。
自然な状態での斜視や頭位の状態は、
無理なくかけられる度数を決定する上で
とても参考になる情報です。
メモを取りながらチェックするといいですね
定性を見る
次は定性です。
カバーテストをして以下のポイントで
斜視の性質を見ます。
斜視の性質を見ながら複視の有無を
聞いておくといいでしょう。
固視眼を変えることによっても複視の有無が変わる方が結構いますよ
定量をする
実際に定量していきます。
自覚症状の改善が最も大切
なので、患者さんに見え方を
確認しながら行なって下さい。
他覚的測定値と自覚的測定値が
大きくかけ離れている場合は、
異常対応なども考えられます。
異常対応を調べるには別の検査が必要
になりますが、プリズム眼鏡合わせの
場合は自覚的測定値を重視するので
深く追求しなくても構いません。
自覚的に1つになるプリズム量やphoriaに持ち込める最小値を意識しながら測ると、装用するプリズム量を決めるのがスムーズになりますよ
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眼位検査をもとに、装用するプリズム量を
以下の手順で決めます。
ここまでの検査データと患者さんの自覚的な応答をすり合わせながら微調整していきます
もう少しなので頑張って下さいね
どちらの眼に入れるか決める
まずは、プリズムをどちらの目に入れるかを決めます。
など総合的に判断して決定します。
両眼に入れる場合は等量に分けてOKです。
複視が消失する最小のプリズム値を入れてみる
まずはphoriaになる最小のプリズム値から
入れてみます。
自覚的な満足度を重視するので、
最小のプリズムで足りないようなら
徐々に増やしていって下さい。
組み込みかフレネル膜か決める
を確認します。
※組み込めるプリズム量の上限の目安は5Δずつ、メーカーによっては特注でそれ以上も可
プリズム度数が大きくなると組み込め
なくなり、フレネル膜を選択すること
になりますが、患者さんによっては
フレネル膜を嫌がる方もいます。
その場合は手術も視野に入ってくることを頭に置いておいて下さい
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最後は装用テストです。
プリズム眼鏡を装用することで複視は消失しているのか、消失していなくても楽になっているのか、頭痛はないかなどを確認します。
「ちょっときつい感じがする」「ふらふらする」「やっぱり2つ見える」などの訴えがあれば、微調整を行ないます。
微調整をしても満足する度数が決められない場合は、プリズム眼鏡が不適応となります。
プリズム眼鏡の使い方が合っているか、
検眼枠を正しく装用できているか、装用
テスト中の患者さんの様子も観察して下さい。
検査の時は調子がよくても、長時間かけるとNGだったという場合もあるので必ず装用テストは行なって下さいね
プリズム眼鏡処方を行なう上での注意点を
紹介します。
眼位が安定した時点で処方する
眼位が変動しているうちは度数が
決められないので処方を見送ります。
発症から数ヶ月が経過し、何度か
測定して得られた安定した値で
処方して下さい。
正面のみの矯正であることを説明する
プリズムは正面のみの矯正です。
視線の移動のみはNGで、見たいものを
顔ごと動かして正面で見てもらうよう
伝えて下さい。
遠用、近用など用途を確認する
患者さんが、どの距離のプリズム眼鏡が
必要なのかを確認し、使い方を説明します。
普通の眼鏡合わせと同様に、『近用で遠方を見ない』など基本的な部分です
遠近両用プリズム眼鏡は遠近のプリズム量が同じ場合のみ処方できる
遠近両用のプリズム眼鏡を希望された
時は、遠近のプリズム量が同じ場合
にのみ処方できます。
ただし単焦点のプリズム眼鏡より
見え方が劣ることを説明して下さい。
プリズム眼鏡により見た目が変化することを伝える
プリズム効果による像のジャンプに
よって、周りから見ると実際の眼の
位置がズレて見えることがあります。
こんなはずじゃなかったという後からの訴えは、トラブルの元になります
今後眼位が変化すると合わなくなる可能性も伝える
装用テストでOKであっても、眼位が
変化すると合わなくなる可能性もある
ことを伝えて下さい。
また、定期的に受診してもらい、症状の
変化やプリズム度数変更の必要がないか
を確認します。
眼鏡屋さんは格安店を勧めない
プリズム眼鏡を格安店で作製することは
お勧めしません。
プリズム眼鏡の取り扱いに慣れている
眼鏡屋さんで作ってもらうよう
患者さんに説明して下さい。
眼鏡屋さんに問い合わせてから行ってもらうと確実ですね
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慣れるまでは、プリズム眼鏡処方は
どうしても難しいと感じてしまうものです。
手順やポイントを押さえて検査し、
患者さんの自覚的な応答に合わせて
いけば自然と度数は決まってきます。
プリズム眼鏡処方をマスターすると、
患者さんの二重に見えるという不快な
症状を緩和してあげられます。
ぜひ参考にしてみて下さい。
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