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アイパッチ*を指導したいんですけど、注意点や時間の目安がわかりません
片眼の屈折異常による弱視や、斜視
による弱視にはアイパッチを行なう
場合があります。
アイパッチは健眼を隠して患眼を使わ
せる遮蔽訓練の一つですが、施設や
症例によって指導方法はさまざまです。
*アイパッチは商標名もありますが、本記事では遮蔽眼帯(eye patch)として用いています
本記事では視能訓練士歴20年の筆者が、勤務施設での経験をもとにアイパッチの注意点や時間の目安について解説します
今回ご紹介するアイパッチのやり方と時間の目安は、あくまで一例となります
(弱視の程度やお子さんの性格、年齢によって異なります)
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まずはどのような場合にアイパッチを
行なうのかを把握しておきましょう。
筆者の勤務先では、以下のような
アイパッチの使い方をしています。
対象者 | 片眼が屈折異常弱視 または斜視弱視のお子さん |
対象年齢 | 視力の感受性期である8歳~10歳ごろまで早いほどいい |
アイパッチ開始時期 | 健眼の矯正視力が確実に(1.0)出ると確認できた時点 (※施設によって異なる) |
アイパッチで隠す眼 | 健眼(視力が良い方の眼) |
遮蔽訓練の間にすること | TV(YouTube)・ゲーム ・塗り絵 ・迷路 ・絵本 など |
筆者の施設では、健眼の矯正視力が
確実に(1.0)出ると確認された場合
に、アイパッチ治療が始まります。
開始時期が早ければ早いほど、視力の
向上もより期待されます。
例えば「健眼の矯正視力(1.0)が3回続けて確認できた場合にアイパッチ開始」などですね!
しかし小さなお子さんにとって、
見えない方の眼で生活するのはかなりの苦痛を伴う
ので、なかなかアイパッチをしてくれない
ということも少なくありません。
少しでもアイパッチの時間を確保できる
ように、アイパッチの間だけはTV(YouTube)
やゲームなど、好きなことをさせてあげる
というのも一つの手となります。
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アイパッチをただ闇雲に行なうのは
危険です。
アイパッチをすることがマイナスに
ならないよう、以下の点に注意して
下さい。
弱視治療にとって、弱視眼の中心窩に刺激
を与える屈折矯正は基本中の基本です。
眼鏡による正しい屈折矯正をした上で、
アイパッチを行なうようにして下さい。
その際、アイパッチにすき間がないよう
にしておきます。
患眼ばかりに意識が行き、アイパッチで
遮蔽している健眼の視力が下がってしまう
ということは避けなくてはいけません。
必ず定期受診をしてもらい、健眼の視力
もチェックしておきましょう。
もし健眼の視力が下がってしまった場合には、アイパッチの時間を減らして、健眼の視力回復を促します
アイパッチで片眼を隠すという行為は、
融像を除去していることになるので、
アイパッチによって斜視が出現する
場合もあります。
特に斜視弱視の場合には、斜視の頻度
や角度が増える可能性があるので眼位
チェックは必ず行うようにします。
斜視の程度によっては手術が必要になることもあるので、以下のようにアイパッチの時間を調整してみて下さい。
アイパッチ時間の調整例
アイパッチにはシールタイプと布タイプ
があります。
シールタイプ
シールタイプは皮膚に直接貼るものなの
で、接着剤による皮膚のかぶれが見られ
るお子さんもいます。
布タイプ
最近は眼鏡に取り付ける布タイプのもの
も豊富に出ていますので、案内してみて
下さい。
布タイプを使っているお子さんは、しっかりと遮蔽ができているか一度確認してあげるといいですね
アイパッチをするということはよく
見えない片方の眼で生活するという
ことです。
両眼で生活している時よりも行動に
不自由が伴い、危険な場面に遭遇
するかもしれません。
必ず大人の見守りのもとでアイパッチ
をするよう指導してあげて下さい。
保育園や幼稚園、学校にアイパッチを
していく場合には、からかわれたり
いじめられたりする可能性もゼロでは
ありません。
このような事態を防ぐためにも、
保育園や幼稚園、学校の先生にも情報を共有するよう
保護者に伝えて下さい。
アイパッチをするという心理的ストレス
に加えて、いじめという最悪な環境に
お子さんが置かれていないか、視能訓練士
の立場からも気にかけてあげて下さい。
いじめられている場合には、アイパッチは家だけにするなど、お子さんの状況を最優先に考えましょう
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アイパッチをする時間は開始する年齢
や視力にもよります。
開始する年齢が高ければ、
視力の感受性期のタイムリミットが迫っているので、アイパッチの時間を長めに
します。
反対にアイパッチの開始年齢が低ければ、
同じ視力値でもアイパッチの時間は短くて
済みます。
初期のアイパッチ時間は症例や施設に
よっても方針が異なります。
筆者の施設では、主に次の2パターンの
進め方があります。
①短い時間から少しずつ増やす方法
伝え方例
「最初は3時間を目標にやって、少しずつ増やしていきましょう」
②終日遮蔽する方法
伝え方例
「理想は12時間なので、できるだけ長くやってみて下さい」
アイパッチの時間の増減は施設の方針に従って下さい
筆者は次のことを意識してアイパッチの
時間を増やすかどうか判断しています。
目標通りアイパッチができていない例
目標は終日だけど3時間しかできて
いないということであれば、負担に
ならない程度に増やせるよう声かけ
をします。
「次は5時間目指してやってみましょう。無理なら3時間を続けて下さい」
目標通りできているが視力が向上しない例
5時間目標で5時間できているにもかか
わらず、期待通りに視力が向上しない
場合には、
などに注意しながら遮蔽時間を増や
していくこともあります。
全然できないという子もいるので、お子さんの状況を見ながら、少しずつ増やしていくのがいいかもしれませんね
筆者の施設では(1.0)が2カ月~数カ月
安定して確認できた段階で少しずつ時間
を減らしています。
たとえば、
以上のように減らしてみます。
また、アイパッチを開始して1カ月ほどで
視力が(1.0)まで伸びるお子さんもおり、
この場合にも時間を少し減らしてみます。
注意!
アイパッチの時間を減らした場合には、次回の受診日に視力が下がっていないかを注意深く確認して下さい。
アイパッチの時間を減らし始めたら、可能であれば月に1回は受診してもらい、視力の低下がないか確認します。
もし下がっている場合には、アイパッチの時間を元に戻します。
常に両目の視力を観察しておきましょう
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どうしてもアイパッチができない場合
には、健眼にアトロピン遮蔽をする
ことがあります。
アトロピンで強制的に遮蔽するのです
が、アトロピンを点眼した方の目は
近見できなくなることを覚えておいて
下さい。
また、アトロピンには発熱などの副作用
が出ることがあったり、長期間に渡る
「強制遮蔽」により、お子さんの心身に
負担を伴います。
これらを保護者に説明し、できるだけアイパッチができるよう誘導、説得して下さい
片眼の屈折異常による弱視や斜視による
弱視に行なうアイパッチのやり方と時間
の目安について、筆者の施設でのやり方
を紹介しました。
アイパッチは片眼の弱視における有効な
治療方法ですが、お子さんや保護者の
負担は大きいものです。
貴重な感受性期に視力を最大限伸ばすこと
ができるよう、アイパッチを行なう上で
注意するべきことを意識しながらサポート
してあげて下さい。
視能訓練士の親身なサポートは、弱視治療において必須です
ぜひ参考にして下さいね!
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