視能訓練士実習生を伸ばすレポート指導のポイント
実習生のレポートってどうやって指導したらいいんだろう…習ったことないしなぁ
臨地実習で毎日提示するレポート課題、
どのように指導や添削をしたらよいか
よくわからないですよね。
学生時代にはレポートを書いていても
人のレポートを見て添削をしたことは
ない、という方がほとんどでしょう。
そこで今回は実習生を伸ばすレポート
指導のポイントを紹介します。
レポート指導の方法に悩む指導者さん
のお役に立てれば幸いです。
レポートの書き方の指導
まずはレポートの書き方から指導します。
実習期間の初日にレポート課題を出し、
学校や今まで行った実習先で教わった
やり方でいいので自由にレポートを
書くように指示して下さい。
最初のレポートを見れば文章など、
実習生のクセがわかるはずです。
レポートは手書きがおすすめ
レポートはなるべく手書きで書くよう
に伝えます。
パソコンを使うほうが便利ですが、
どうしてもネットのコピー&ペースト
やリライトをしてレポートを作成を
してしまう恐れがあります。
手書きだとネットのコピーになりにくい
ため、なるべく手書きで書くように指導
して下さい。
誤字・誤認・誤用のチェック
誤字や言葉の誤用は厳しくチェックします。
特に検査結果や用語の使い方などに注意して
添削して下さい。
例えば臨床において視力の結果が0.2なのに
誤って0.02とカルテに記載してそのまま診察
に入ったら、大変なことになります。
カルテの記載ミスや記載漏れが後々大きな
ミスにつながる可能性があることを伝え、
正確に記載するように指導しましょう。
見やすくわかりやすいレポート作り
レポートはただ闇雲に書くのではなく、
見やすくわかりやすいものを作るように
指導して下さい。
忙しい業務の中、読みにくいレポートは
添削がしにくい上、そもそも読む気が
起こらなくなります。
客観的に見てよくわからない文章で
書いているうちは、書いている本人も
よくわかっていません。
そのため、次のようなポイントを意識してレポート作成を指導しましょう
レポート指導で重視すべきポイント
レポート指導のポイント
- 一文は長過ぎない
- あいまいな表現はなるべく避け、具体的な表現を用いる
- 文章だけでなく絵や図を使って記載する
- 文章の前に見出しをつけたり箇条書きを活用するなどレイアウトも意識する
例
「かなり視力があがった」→「視力が0,1から1.0へ向上した」
レポートだけでどんな患者さんか想像できるか
患者さんを想像できるくらい具体的
な情報について、レポートにしっかり
記載されているかチェックして下さい。
多くの実習生は患者さんの主訴や年齢
などの基本情報をレポートに記載して
いますが、これらの情報だけでは、
具体的にどんな患者さんなのか理解
できません。
患者さんをイメージできるチェック要素
- 検査に協力的であったかどうか
- 歩行困難や視野欠損があり、介助が必要なのかどうか
- 車いすや杖を使っているか
- 顔の傾きや顎の上下があるのか
- 視力検査時の様子(すぐに目を細めていないか、前かがみになったりしないか)
- 眼疾患がいつ発症し、どのくらい視力が低下したのか
- 治療によってどのくらい視力が向上したか
以上のように、見学や検査をした
患者さんの情報をなるべく詳しく
書くように指導して下さい。
複数の人がレポートを見て、
どんな患者さんなのかある程度
想像できるのが理想です。
患者さんを観察する力や洞察力が身に付くように指導しましょう
検査手技や疾患について理解できているか
検査手技や疾患について指導された点
をレポートに記載し、きちんと理解
できているか確認して下さい。
検査手技の理解度を見るポイント例
- どのような疾患を疑って検査をするのか
- 患者さんがどんな人だったか(耳が遠くなかったか、検査の理解度はどうか)
- それに対して指導者がどのように声かけをしていたのか
- どの点を重視し、どのような順序で指標を出していたか
- 不安定なレフや測定できないレフのときにどうしていたか
- 教科書上の検査手技と違う時にどう考えるか
など、検査の目的や順序や疾患に
ついて理解できているか指導します。
学校やほかの実習先で学んだことと
のすり合わせについてレポートに
記載させるとベターです。
臨床でしか学べない知識や経験をしっかり記録するように指導して下さい
こんなレポート指導はNG!
教科書をまとめるだけ
実習では教科書の復習ではなく、臨床
で検査や見学したことについてどのよう
に考えるかが大切です。
「神経眼科系の疾患についてまとめて」
という課題を出したとしたら、
患者さんになじみのない検査をする時に
どうやってわかりやすく説明するかを
考えて書いてもらうようにします。
臨床に基づいたレポート作りをする
ように指導して下さい。
赤ペンのコメントだけで指導する
可能な限り書いたレポートについて
ディスカッションするようにしましょう。
文字だけでやり取りすると味気なく、
理解度を図ることが難しいです。
また、実習生が質問しにくい雰囲気
になりがちです。
書いたレポートについて気になる点はこちらから質問を投げかけて、実習生とディスカッションするようにしましょう
ハードすぎる課題を出す
1日に何症例もレポート課題を出す、
指導者がわからないことを調べさせる
など、実習生のレベルを逸脱した課題
を出してもあまり意味はありません。
厳しすぎるレポート課題を出すと、
レポート作成に追われて肝心の臨地
実習がおろそかになってしまいます。
1日1症例、長くても2〜3時間で書ける
ようなレポート課題を出すようにして
下さい。
まとめ
今回は実習生を伸ばすレポート指導の
コツについて紹介しました。
見やすいレポートは指導者からしても
指導する意欲が湧いてきます。
レポートの内容については患者さんの
情報、検査手技や疾患について理解
できているかを重視して添削しましょう。
実りあるレポート指導をするためにも、
なるべく実習生とディスカッション
しながら進めるようにして下さい。