【例文あり】評価される視能訓練士実習レポートの書き方とNG例
実習レポートの書き方が、いまいち想像つかない…どうやったらちゃんとしたレポートが書けるだろう?(実習怖い(>_<)
実習に漠然とした不安を抱く学生は
多いと思います。
今回は、弊社の視能訓練士ライターチーム
が作成した実習レポートの実例と書き方の
ポイント、NG例を紹介します。
この記事を参考に、なんとか実習を
乗り越えて下さい!
実習レポート書き方のポイント
実習レポートはポイントを押さえて
おけば難しいことを書く必要は
ありません。
反省点と課題の確認が大事
- どんな失敗をし、
- どんな課題があり、
- 次はこの失敗をどのように生かすか
を記載します。
実習生は課題が山積みのはずなので、
毎日1テーマずつ課題と対処法について
書くとレポートのネタに困りません。
また、自分の失敗の原因と対策を
考察すると、指導者さんに成長が
伝わりやすく、評価にもつながります。
症例や検査結果の考察をする
自分と指導者さんの検査結果が
違うことや検査結果がエラーに
なった原因などを考えます。
- 「なぜ指導者さんは○○という発言をしたのか」
- 「なぜこの患者さんは△△と言っていたのか」
といった理由を調べ、予測し、
思考の道筋をレポートに残して下さい。
文献を活用する
根拠を明確にして、データを元に
客観的な考察を書きましょう。
文献は『視能学』を筆頭とした医学書や
論文などを活用します。
参考資料として、引用または参考にした
文献の名前とページ数を記載すれば、
後で自分が見返した時にも便利です。
実習レポートは完璧でなくて良い
調べて考察しても間違った答えを導いて
しまうことがあります。
実習全体を通して言えますが、実習では
失敗をプラスに変えることが大切です。
失敗を過度に恐れる必要はなく、
「間違いを指摘されたらやり直せば
良いだけ」と受け入れるのも大事です。
実習レポートの書き方例
弊社の視能訓練士が過去に実際に
作成した実習レポートを紹介します。
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横向きでご覧下さい
【ハンフリー検査の実施】 ◯症例 70代 男性 緑内障 |
◯眼疾患歴 R)15年前に白内障と緑内障のOPE済 L)白内障のOPE検討中 |
◯視力検査結果 R0.2(0.9×IOL×+1.50D) L0.1(0.8×-2.25D) |
◯ハンフリー検査結果 ※検査結果は個人が特定できないように加工しています |
前回のGPの検査結果と今回のハンフリーの 検査結果に相関があるかどうかを調べた 【調査方法】 GPの中心30°以内を手書きして比較 →ハンフリーの測定範囲が30°であるため 【検証結果】 ハンフリーの結果とGP30°以内の結果が一致した ハンフリーで感度が低下している下方は、GPではⅠ/4の比較暗点が検出されていた ハンフリーで感度がゼロの部分は、GPでもイソプターで囲えなかった | 【考察】
◯ハンフリー実習の失敗の原因と改善策 【失敗したこと】 検査は正しく行えていたにも関わらず、患者様がほとんどブザーを押さないことに疑問を抱き、検査を中断させてしまった 見えやすい方の目を遮蔽した状態で検査説明とデモを行ってしまい、患者様にご迷惑をおかけした 【原因】 前回のGPの検査結果を参照した(ハンフリーは今回が初めて)にも関わらず、ハンフリーの検査結果の予測が不十分であった。 ブザーを全く押さないことに焦ってしまい、正常に検査を行えていることに気づけなかった。 【改善策】 片眼が見にくい患者様に対して検査説明とデモをする時は、遮蔽をする前に説明したり健眼から検査を開始し検査方法を理解してもらうなど、個別に合わせた検査を行う 過去の検査結果から現状をしっかり予測する |
◯ハンフリー(H)とGP(G)の使い分けについて(眼科検査ガイドp.222参考) 【測定方法】 H:測定点での網膜感度閾値を測定できるSITAプログラムが臨床で多く使われる G:等感度曲線(イソプタ)によって出現閾や消出閾を測定 【測定範囲】 H:中心5度〜85度(今回の検査モードSITA-FASTでは30度) G:耳・鼻側90度、上・下方70度 【特徴】 H:感度低下の視野解析を数値化でき、緑内障の視野変化の評価に有効 G:視野全体の変化を把握できる。自動視野計の測定が困難な症例でも測定できる 【ポイント】 ハンフリーでは、あらかじめ設定された測定点の閾値しか測定できず、測定点と測定点の間隔は5度離れている。 GPはプロットの位置は検査者によって変えることができ、プロットをイソプタで結ぶ。 ハンフリーとGPの検査結果の相関性を確認する際にはこれらのことに留意しなければならない。 |
実習レポートではやってはいけないこと【NG例】
実習レポートを書く際に注意したい
点は次の通りです。
日記になってしまう
実習レポートにありがちな間違いは
日記になってしまうことです。
今日あったできごとを淡々と述べ、
それに合わせて教科書から該当疾患を
丸写ししただけのようなレポートでは
何も身につきません。
必ず
「なぜそのできごとがあり、どのようにその結果になったのか」
の考察をして下さい。
無駄なことは書かない
実習レポートには無駄なことは
書かないように気をつけましょう。
「食堂が広い」「受付が広い」といった
明らかに関係のないことのほか、「今日の
所感」など施設によっては要不要が分かれる
こともあります。
誰が見ても無駄なこと以外は、まず一度
書いてみて「書かなくて良い」と言われ
たら次回以降やめる、という方法を取って
みましょう。
ただの作文になる
考察は客観的な根拠を元に
自分なりに考えることです。
自分が感じたことを書くだけでは
考察ではなく作文になってしまうので
注意して下さい。
- 「〜の結果は正常範囲ではないと思う。」
- 「結果は○×となった。○○の正常範囲はAからBまでなので、今回は△△ということがわかった。
この結果になった理由としては□□が考えられる」
実習先の批判
実習先の施設、指導者さんに対する
批判をしてはいけません。
実務で忙しい中、実習生を受け入れて
下さっていることに感謝し、思うことが
あっても伝えるべきではありません。
ネガティブな要素には触れず、そこから予想できるレポートのネタがないか
探してみます。
例えば「待合室が暗い」と気付いたら、
「暗さ」に焦点を当てた考察にすり替え
られます。
- 「待合室が暗い。眼鏡合わせの際に利用することがあり、明るい照明に変えた方がいいのではないか」
- 「一般的な家庭の明るさは○○ルクスであり、検査室の基準より暗いため、度が合っていても眼鏡が見えにくいといったトラブルが起こることがあるかもしれない」
個人情報の流出
実習レポートに個人情報を載せる際は、
必ず指導者に確認をして下さい。
個人情報とは氏名や生年月日だけでなく、GPの結果や眼底写真の画像なども含まれます。
「50代男性」のように匿名にした上で、
検査結果を頂戴できるかどうか伺い、
検査結果上の患者番号も含めた情報を
すべて消して利用します。
※氏名などすべて消しても画像自体は個人情報なので注意しましょう
実習レポートは個人情報のかたまり
なので、決して不特定多数の人に
漏れないよう注意して下さい。
落としたり失くしたりしないよう、注意が必要ですね
参考文献に匿名ネット情報を使う
参考文献にインターネットでの情報を
使いたい場合は、執筆者や情報の出所が
正確なものを活用して下さい。
Wikipedia、個人のブログ、まとめサイトなどは医学的根拠に乏しいため、利用してはいけません。
学術論文などきちんとした研究結果を
用いるようにしましょう。
「診断」「断定」する
実習レポートで考察する際、勝手に
診断や断定するような書き方は控えて
下さい。
症例について書く時に
- 「この患者さんは目の乾きを訴えていたのでドライアイなのだろう」
と断定してはいけません。
- 「目の乾きを訴えており、一つの可能性としてドライアイがある。ドライアイを主な症状とする疾患としては、シェーグレン症候群や角膜炎などがあり…」
などと言い方を変え、関連情報を
芋づる式に記載すると更に内容が
濃くなります。
「ドライアイの原因となる疾患にはシェーグレンがある」のような客観的な事実は断定してかまいません
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実習レポートをしっかり書くと、その後の
視能訓練士人生にも大いに役立ちます。
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併せてご覧頂くと、良質なレポートが
とても書きやすくなります。
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