今の職場に悩んでいたら・・・
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初めての遠近両用眼鏡を処方する時、どんな人にどのくらい加入を入れたらいいかよくわからない…
遠近両用眼鏡はとても便利ですが、
どうにも使う人を選びます。
患者さんから「初めて遠近両用を
使いたい」という希望があった場合は、
順序だてて説明し、扱い方を理解
できたかどうか、こちらで判断する
必要があります。
※なお、当記事において「遠近両用」は累進タイプを指し、中近、近々と区別するために「遠近両用(または遠近)」と呼ぶこととします
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あくまで一つの考え方としてご理解ください。
初めての加入度数はAdd+1.25D
あたりから始めることが多く、
本人の理解度・適応力に応じて
増減します。
本来、必要な加入度数は50代前半と
50代後半では異なります。
しかし初めての遠近両用となると、
明視域の確保よりも慣れやすさを優先する
ことが多いです。
Add+1.25D
Add+1.50D
Add+1.75D
Add+1.00D程度ではあまりに弱すぎるので、Add+1.50D前後を目安にしましょう
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患者さんによって、検査者によって
やり方はさまざまです。あくまで
一例として参考にしてください。
Add+1.25~+1.75Dまでの遠近両用のテストレンズを入れた状態でスタート
以下のようにあごの上げ下げしてもらい、見え方の変化を自覚してもらう
対象物の方を顔ごと動かして見る必要があると説明し、実際に見てもらう
ふらつきに注意してもらう
ふらつきに注意してもらう
ずり落ちると見え方が変わるため、フィッティングが悪いようなら検眼枠をテープで額に留める
あらかじめ「〇分装用テストをします」と伝えておく
装用テストの時間は本人の理解力・適応力と院内の混雑具合で決めて良い
必要であればもう一段加入度数を強くして試す
1段UPで大丈夫ならそれ以上は上げずに処方する
提携している眼鏡店がない場合、適切な眼鏡店の選び方を説明する
結論として格安店以外が良い
メガネフレームは縦幅が30㎜以上ある、広いものを選んでください。
狭すぎると近用部分がカットされてしまいます!
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近視眼でJB歴がある人ほど慣れやすく、
近視・遠視ともJB歴がない人ほど
慣れにくいと言えます。
遠近両用を扱えない可能性 | 小 |
理由 | 眼鏡をかけることそのものに慣れている レンズの歪みの理解がある |
対策 | 加入度数を変えずに、遠用度数を弱めて近見視力を確保する方法もある |
ポイント | 比較的スムーズに遠近の処方ができることが多い |
遠近両用を扱えない可能性 | 中 |
理由 | 眼鏡をかけることに慣れていない レンズの歪みに慣れていない 遠用部が凹レンズ、近用部が凸レンズになる可能性があり、さらに慣れにくい |
対策 | 加入度数を変えずに遠用度数を弱める方法もある 遠近ではなく単焦点から慣れてもらうこともある |
ポイント | 本人の強い意志がないと継続しにくい 裸眼で遠くも近くもそこそこ見えるため、作っても使わない可能性がある |
遠近両用を扱えない可能性 | 中~小 |
理由 | 遠見時に眼鏡を使うことに慣れていない |
対策 | 遠視度数を弱めて歪みを減らす(ただし近見視力は落ちる) |
ポイント | 作ったものの使わず、老眼鏡に戻ってしまうこともある 遠視の程度によっては「今後、遠視用眼鏡が必要になるかもしれない」と忠告しておく |
遠近両用を扱えない可能性 | 大 |
理由 | ときどき既製の老眼鏡を使う程度 眼鏡を使うことに慣れていない よく知らず人づてに「遠近がいいらしい」と聞いただけ |
対策 | 遠見視力が落ちても遠視度数は可能な限り下げて歪みを減らす (遠用度数を下げても裸眼よりは眼鏡視力が上がる可能性) なるべく弱い加入からスタート |
ポイント | 本人の強い意志がないと厳しい 老眼鏡も使っていないので弱い加入の遠近でも「見やすくなった」と反応がある まずは老眼鏡をすすめた方がいいかもしれない |
遠視で老眼鏡の使用経験が浅い人は、遠近両用のハードルがかなり高いので、早い段階で向き不向きを判断し、処方に時間をかけすぎない方がいいでしょう
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遠近両用はちょっとのズレで見え方が
まったく変わります。
必ず定期的なフィッティングをして
もらうよう伝えてください。
また、加入度数を上げないままでいる
と、60歳を超えてもAdd+1.25D程度の
遠近両用を使っていることになり、
本人も「遠近だったことを忘れてしまう」
くらい遠近としては役に立たない
眼鏡になってしまいます。
遠近は慣れるまでは2週間~1か月は
かかります。慣れにくいとき、慣れて
度数を上げたいときは、眼鏡店の保証
を使ってレンズ交換をしましょう。
保証期間や保証内容は各眼鏡店によって異なります。
患者さん本人の努力も必要となるため、
仕上がってすぐに「慣れない」と
言われても、慌てなくて大丈夫です。
慌てて再処方しても、原因の本質
がわからなければ、再処方しても
失敗する可能性があります。
度数やフィッティングに問題が
ないようなら少なくとも1か月は
使うよう伝えて下さい。
遠近両用は慣れればとても便利ですが、
少しクセのあるレンズです。
興味のある患者さんがいたら「少し
でも若いうちに」始めることを案内
して下さい。
「この人は無理そうだな」と思ったら
無理に処方するのではなく、理由を
説明し、単焦点へ切り替える判断も
必要です。
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