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遠視用の眼鏡ってどうやって説明したらかけてもらえるんだろう?
40代以降で初めて遠視の眼鏡を
処方する場合は、近視と比べて
アプローチの方法が異なります。
「自分は目が良い」と思っている
患者さんに対し、遠視眼鏡を常用
する必要性をまず理解してもらう
必要があります。
今回は、初めての遠視眼鏡処方に
ついて、患者さんへの説明や処方
のポイントを解説します。
この記事を書いた人
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患者さんの多くは、若い頃に裸眼で
不自由なく見えていたため、以下の
ような認識を持っている方が多いです。
そのため、まずは「遠視とは何か」
や「眼鏡をかける理由」などについて
正しく理解してもらうところから
スタートします。
遠視の説明例
(※)老視
遠視最大の主訴の一つは「眼精疲労」です。
目が疲れやすいのも、常にピント合わせの筋肉が頑張っているためだと伝えて下さい。
遠視眼鏡の説明例
老眼鏡のようにかけたり外したりするものではないということですね
老眼との違いの説明例
※患者さんが「老眼」という言葉を使ったら、検査者も合わせて使っていいでしょう
遠視と老眼の違いを説明できると、小児の遠視眼鏡を処方する際、保護者への説明にも役に立ちます
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遠視の度数や程度によっても、
提案できる遠視眼鏡の処方値や
日常での使い方が異なります。
ここでは、度数の程度ごとに
処方ポイントを解説します。
実際の処方例
42歳女性 会社員 | |
主訴 | ・夕方になると疲労感(+) ・遠くの見え方は困っていない ・仕事はデスクワーク |
完全矯正値 | R 1.0p(1.2✕S+1.25D) L 1.0p(1.2✕S+1.25D) |
眼鏡処方度数 (遠用) | R (1.2✕S+0.75D) L (1.2✕S+0.75D) |
眼鏡装用後の感想 | ・疲労感がなくなった! ・全体的な見え方は変わらない |
眼鏡度数の決定方法
処方のポイント
見えないものを見えるようにする眼鏡ではなく、つらい眼精疲労を取るための眼鏡です
+1.00D前後の40代ではまだ調節力が
あるため、裸眼でも遠くの見え方に
不自由しておらず、手元も全く見え
ないというわけでもない。
そのため、近視眼のような明確な
見やすさを訴求するのではなく、
現状訴えている疲れ、頭痛、肩こり
などのつらい症状を緩和することが
目的であると伝えると良い。
常用を勧めたいところですが、裸眼視力も良いと常用してくれないことが多いです。
せめて仕事中だけでもいいので使ってもらえるよう説得しましょう!
実際の処方例
55歳男性 会社員 | |
主訴 | ・遠くも近くもはっきり見えない ・目の疲れや肩こり(+) ・運転する |
JB使用歴 | 老眼鏡のみ使用 |
完全矯正値 | R 0.6(1.2✕S+2.25D) L 0.5(1.2✕S+2.50D) |
眼鏡処方度数(遠用) | R (0.9✕S+1.75D) L (0.9✕S+2.00D) |
眼鏡処方度数(近用) | R (1.0✕S+4.25D) L (1.0✕S+4.50D) |
眼鏡装用後の感想 | ・運転もしやすくなった ・40㎝先の新聞もよく見える |
眼鏡度数の決定方法
※視力検査時に、どの度数でどのくらいの裸眼視力だったか、数値をメモしておくと良い
処方のポイント
○○さんは遠視ですが、これからは近視の人と同じように、遠くを見る時にも眼鏡が必要です
見えづらさを自覚しているため、
眼鏡装用への抵抗は比較的少ない
と思われる症例。
若い頃と違い、今後は眼鏡生活に
なることを伝える。
同時に、遠視と老眼は異なるため、
それぞれに合わせた眼鏡が必要で
あることも伝える。
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年齢が若い+遠視が弱い=遠視眼鏡が老眼鏡にもなる
調節力が残っている40代であれば、
遠視眼鏡が老眼鏡としての役割も
果たします。
+1.00~+1.50D程度の遠視度数の
場合、遠視の眼鏡をかけることで
近くがよく見えるようになります。
「40代で軽度遠視は遠視眼鏡で近くも見やすくなる」とセットで覚えます!
遠視眼鏡で遠近ともに対応できそう
であれば、まずは遠用1本で眼鏡に
慣れてもらいましょう。
遠視の患者さんは眼鏡をかけること
自体に慣れていないため、たとえ
老眼鏡があった方が良かったとしても、
初めての眼鏡処方で遠用・近用の2本を使いこなせるかどうかわからない
というリスクがあるからです。
まずは遠視用眼鏡を1本作製し、眼鏡
装用に慣れてもらうことを優先した
方がいいですね。
ただし、将来的には必ず老眼鏡の併用、または遠近両用の眼鏡が必要になると伝えて下さい
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初めての遠視眼鏡処方では、
「遠視・老眼との違い」
「眼鏡が必要な理由」
などを順序立てて丁寧に説明する
必要があるため、近視の眼鏡処方
よりも時間がかかるかもしれません。
患者さんの年齢や遠視度数はもちろん、
ライフスタイルや性格などをよく把握
して、それぞれに合った処方度数を
提案しましょう。
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