【Q&A】HFAのよくある質問総まとめ
今回は視能訓練士軍団で質問があったHFA視野計についてまとめました!
検査の中でも実施回数が多いHFA視野計、皆さんから寄せられた質問を元に毎日の検査を更にアップデートしてください。
なお、本記事の回答はあくまで一例です
これらの回答のみが正解、というわけではありませんので、ご留意下さい
視能訓練士軍団(仮)についてはこちらからどうぞ↓
固視不良について
Q.固視良好なのに固視不良が増えるのはなぜ?
固視良好にもかかわらず、固視不良が蓄積していくのはなぜ?
【回答】
- 最初のマ盲チェック時にズレていた
- 乳頭の位置が正常範囲外にある
- マ盲のサイズが違う
- マ盲を含むビエルム暗点が広い
最初の マ盲点チェックでたまたま良かっただけで、もともとずれていた可能性があります
強度近視の場合、傾斜乳頭による本来の位置と異なることが考えられますね
- マ盲が小さい可能性がある
- マ盲含むビエルム暗点が大きすぎて付近の感度が落ちている場合、初動はコシフリョウとして検出される気がする
- 検査開始直後、固視良好と見受けられてもマ盲点を手動で再チェックしてもいい
(HFA や OCTPUS では、始め 1 分がとても大切) - HFA 搭載データは導入当初は外国人データであるため、日本人とはデータが多少異なる可能性が高い
固視が良くても、頭位のねじれによって固視不良が増えることもあります。
Q.10-2のマ盲は何で固視不良と判断している?
10-2は30-2より中心視野をみているため、検査結果にマ盲が出ません。器械が何をみて、固視不良と判断しているのでしょうか。
【回答】
- 原理は同じで、画面に表示されていないだけ
原理は30-2と同じはずです
- 測定範囲にマリオット盲点が含まれていないため結果の画面に表示されていないだけ
30-2と同じように、検査開始直後にマ盲チェックをしています。
患者さんの後ろから回ってドーム内をのぞくとわかります。
Q.固視は良いのに固視不良が出るのはなぜ?
アイモニター上では固視良好な方が固視不良がでるのはなぜでしょうか?
【回答】
- 乳頭の大きさや形が指標にかぶっている
- 盲点チェック等の確認不足
- ゲイズ設定が甘い
乳頭の大きさ・形によってマ盲点が指標に部分的に被っている可能性があります
- 固視微動や体動によって反応が±になることがあるのかもしれない
マ盲の位置、顔の位置、固視状態の確認不足
- 肉眼的に見抜けていないだけで固視不良の原因があるのではないか疑う
- 紙に書くなどして再度説明する
- もし、それでも固視不良が増加する場合はカルテに記載
ゲイズの設定が出来ていないのではないか
- 設定の時はレンズを外して行う、瞳孔領が見えるまで開瞼する、顔の位置を再確認する事で解決した
「固視不良」といっても実際は固視が悪いというより、マ盲での反応を計測しているわけなので「盲点反応」みたいな名前にすればいいのにと思います。
Q.偽陽性が高いから固視不良は増える?
偽陽性が高くても固視不良は増えるのでしょうか?
【回答】
- 偽陽性との相関関係はある
- 光が複数見えている可能性
検査中断中もボタンを押しているケースでは偽陽性が増加する傾向にあります
検査光とは別に光が見えているよう
- 中断中に見えた光を自覚してもらう
- 検査中にその光が見えても無視していただく
- 2つ光が見えても1度のみボタンを押していただく
疑陽性は患者さんの理解不足や焦りによって高くなることが多く、結果的にマ盲に呈示されていても押してしまうことが増えます。
改めて検査方法の説明する、テストスピードを遅くするなどが解決策となります。
患者データの編集について
Q.患者情報の編集の仕方を知りたい
HFAの患者さんの名前の消し方教えていただけますか?
(生年月日を間違えているデータと正しいものが二つ入ってしまっているため)
【回答】
- 〔ファイル機能〕→〔患者データ/変更〕→〔すべてのデータ〕→患者名データ選択
※機種によって異なる
- 患者データの統合方法:〔ファイル機能〕→〔患者データ/変更〕→〔すべてのデータ〕→患者名で統合したい2人のデータを選択
※機種によって異なる
そうすると画面が出るので、正しい方を選択して実行を押せば全ての検査データが正しい方に移行·統合し、間違えてる患者データは削除されます
- 検査結果は別に保存してあるとのことなので、ファイル機能→テストの削除
※機種によって異なる
間違えてる患者データ分の検査結果を全て削除すれば、自動的に患者データも消えると思います
基本操作のマニュアルは意外とありませんよね。
メモをして同期や後輩と共有すると便利です。
眼瞼挙上の声掛けについて
Q.眼瞼挙上の声掛け例は?
皆さんは患者様の眼瞼を挙上する際に(ハンフリー、レフなど) なんと声掛けをしていますか?
『まつげが掛かっているので少し触りますね』と言うと『年取るとまぶたが垂れてきちゃうのよね〜嫌ねぇ』などとよく言われる。
みなさんが挙上の際、どのような声かけや下垂に対する返答をしているのか。
とくに女性の患者さんだとなんと返答したらよいのか。
【回答】
- 「この検査、結構瞼を大きく開けないといけなくて、皆さん大体は上げさせてもらってますんで~」
- 「せっかく綺麗になさっているのに申し訳ありませんが、異常ではないのに異常となってしまうことがあるので、ちょっと上げさせていただきますね〜」
- 「若いときにはありがたみがわかりませんでしたよねえ」
- 「ある程度年齢を重ねると、目は大きすぎない方が優しくて暖かい印象になっていいと思いますけど」
- 「長い検査ですし、無理せず大きく開けておくためにテープで補助させてください。疲れたりしたらおっしゃってくださいね」
中には眼瞼挙上に強い拒絶をする人もいます。
その場合は「悪くないのに悪く出てしまうから」と説得するか、それでもだめならカルテに記載し、医師に報告しましょう。
視野検査の補正レンズについて
Q.補正レンズはどこまで年齢を考慮する?
年齢関係なく10 代でも+3.00 加入で行う方もいますが、何か意味がありますか?
【回答】
- 明視域に入っていれば良い
- 施設のやり方にならうべし
- 年齢に応じた加入をしている
視野検査の検査距離の明視距離に入っていれば、特にそれ以上の理由はないと思います
- 数枚のレンズを用意して最も自覚的に見やすいと言われるレンズが理想とされる
- 基本的にはその施設のやり方を踏襲したほうがよいと考える。理由は検査方法を揃えたほうがいいのではないかと思うため
年齢に応じた調節力を考慮して選択している。近見視力を測っていればその値、遠見のみなら、その値から調節力を考慮したレンズで。但し-3 以上の近視眼の場合は、なるべく薄いレンズのほうがいいのではとの観点から 3D 加入する。同様に遠視性乱視なら+の円柱レンズに換算して入れている。
- 完全矯正値を HFA に入力して出た換算値を入れている(追加で円柱レンズを+に換算することはある)固視標を明視できるかどうかを重要視している
施設によっては-3.0 以上の近視でも、30 代まではそのままの値を入れているところもありました
調節力があれば完全矯正でも問題ありません。
調節障害などない限り、あえて10代で+3.00Dを加入する理由もないでしょう。
Q.53歳だと何Dの加入が必要ですか?
53歳 矯正-5.5Dで(1.5)出る方に加入レンズは何D入れますか?
【回答】
- 30㎝に焦点が合えばAdd+2.50でも+3.00でも良い
- 焦点が合えば関係ないので、2D加入でも2.5D加入でも3D加入でも大丈夫
例えば20代などに対しても加入しても全く構わないわけです
- 年齢に応じた調節力を補うため、この場合だと2.00D加入して-3.50Dをセットする
0.25ステップの計算が面倒であれば、0.50ステップに変えても結果にはほとんど影響しません
Q.残余調節力があるのにフル加入する利点は?
不勉強で申し訳ありません…どうしても残余調節力のある方にフルで加入するメリットが見いだせないのです…
「調節力のある人が無調節状態で1点を固視し続ける」こと自体が不自然な気がする
【回答】
- 多少の屈折異常は結果に影響しない
- 残余調節力があるならわずかに調節させても構わない
HFAは形態覚の評価ではないため、少々の屈折異常があったところで閾値は左右されません。
- 我々は最大遠視寄りの度数にしているため、調節力が残っている人に対してはやや近視よりになるということはあるかも。そのためご指摘の通り、わずかに調節させてあげても良いかもしれない
フル加入によるメリットは特にありませんが、結果に影響するようなデメリットがあるとまでは言えません。
施設のやり方に従うしかないのですが、今やっていることに疑問を持てることは成長につながります。