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【ハンフリー視野検査(HFA)の基本】患者さんに優しい検査のコツ

視能訓練士

HFAはどうしても時間がかかったり、イライラしたりしちゃう…

HFA(ハンフリー静的視野計)の検査は
自動で行われますが、信頼性や適切な
環境での検査が求められます。

説明や声かけ、固視監視など検査者が
注意すべきポイントが多くあります。

また、HFAは検査者の手技や配慮によって、
患者さんの負担を軽減できる検査です。

この記事でわかること

HFA検査の基本と患者さんに優しい検査を行うコツを解説

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目次

「視野検査って何?」と患者さんに聞かれたら

視野検査の説明例

「視野検査とは、見える範囲の検査です」

「一点を見た状態で、周辺がどのくらい見えるか調べます」

同じ視野検査であるHFAと
GP(ゴールドマン動的視野計)の違い
について質問されることもあります。

HFAとGPの違いは次の通りです。

スクロールできます
HFA「中心部分の狭い範囲の視野を詳しく調べる検査です」
「検査は自動で行われ、光が止まった状態で出てきます」
GP「周辺を含めた、広い範囲の視野を検査します」
「検査は手動で行い、光が動いて出てきます」

患者さんに優しいHFA検査のコツ3つ

患者さんに優しいHFA検査の3つの
コツを紹介します。

  1. 不安に寄り添う
  2. 瞬きをうながす
  3. 休憩をはさむ

1.不安に寄り添う声かけをする

検査が自動で進むHFAは、検査が
うまくできているか不安になり
やすいため、患者さんに寄り添った
説明や声かけを意識して下さい。

「HFA検査が苦手」と訴える患者
さんには「難しい検査ですよね」
と共感
したり、以下のように検査の
状況を伝えます。

「順調に検査できていますよ」

「もう半分まで検査が終わっているので、あともう少しですよ」

また、固視不良などの声かけは、
患者さんが

「怒られている・責められている」

と感じないように伝え方を
工夫して下さい。

「ボタンはしっかり押せているので、まっすぐ見ているようにお願いします」

「どうしても光が気になっちゃうと思うんですが、できるだけまっすぐ見ててくださいね」

以上のように、

  • できている部分は褒める
  • 患者さんに共感する

という点を意識すると印象が
柔らかくなります。

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2.瞬きができているか常に確認

目の渇きは視野検査の結果に影響する
ため、検査中は患者さんの瞬きの状態
を常に確認して下さい。

説明時に

「瞬きは我慢せずにして下さいね」

と伝えることに加え、検査中も必要に
応じて瞬きをうながす声かけをします。

また、テープで眼瞼挙上している場合
は、患者さんが瞬きや目の渇きを我慢
してしまうことが多いです。

先輩視能訓練士

気になる様子があれば検査を中断し眼瞼挙上を緩めて下さい

3.短い時間でも休憩を挟む

HFAが苦手な患者さんは検査の体感時間
が長いのに比例して、疲労感も大きいです。

そのため、
検査が半分くらい終わった時点で
20~30秒程度の休憩をはさんで下さい。

休憩をはさむことで検査者の配慮が
伝わるだけでなく、気持ちを切り替えて
残りの検査に集中できます。

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HFA検査中にベテランが意識していること

HFA検査をスムーズに行うために
意識したいことを解説します。

最初のあご台合わせが重要

HFA検査では、最初のあご台合わせが
とても重要で
す。

高さや姿勢に無理があると、検査中に

  • 顔が傾く
  • 額が離れる
  • あごが浮いてくる

などの不具合が生じ、
検査結果に影響を及ぼすためです。

あご台を合わせる際は目視で患者さんの
姿勢を確認しつつ、

「もう少し台が高い(低い)ほうが良いですか?」

と確認します。

少し無理な姿勢でも我慢してしまう
患者さんもいるため、必ず

「少し長めの検査になるので、楽な姿勢に合わせたいのです

「遠慮せずに教えてください」

と理由を説明して下さい。

検査中もモニターだけでなく、直接
患者さんの姿勢や様子を確認しましょう。

患者さんに合った説明・声かけを!

年齢や検査経験の有無、前回の結果など
から検査の注意点を推測し、それぞれの
患者さんに合った説明や声かけを
心がけて下さい。

【具体例】

  • 高齢者:
    説明が長くならないよう
    に、
    要点をまとめる
  • 初めての検査:
    検査説明は少し丁寧に、
    声かけもこまめに行う

【前回の結果の確認事項】

スクロールできます
固視不良固視を促す声かけをこまめに行う
偽陰性眠気やボタン押し忘れの可能性
「少しでも見えたらすぐに押して下さい」
偽陽性ボタンを押しすぎている可能性
「光が出ないときは待っていて下さい」

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こんなときどうする?HFA検査

HFA検査で対応に困る場面と、
その対処法について解説します。

1.患者さんが眠くなってしまった

患者さんが眠気を訴えた場合は検査を
中断し、以下のように気分転換を
うながして下さい。

  • 可能であれば、検査室を明るくする
  • 背伸びや肩回しなど、軽く体を動かしてもらう

眠気があると眼瞼が下がってくる、目が
上転する
などの様子が見られるため、
患者さんの変化にはすぐに気付ける
ようにしましょう。

2.キョロキョロしていないのに固視不良(+)

目が動いていないのに固視不良が
表示されたら、以下の可能性が
考えられます。

固視不良の原因
  • 光が出ていないのに押している
  • 顔の傾きなどによって盲点の位置がずれている
  • 視神経乳頭の位置が通常と少し異なる/大きい

上記に当てはまらない場合は、
しっかりと固視監視をしながら
盲点の再チェックを行って下さい。

先輩視能訓練士

悩んでいる間に検査はどんどん進んでしまうため、すぐに対応して下さい!

3.固視不良が改善しない

説明や声かけを何度か行っても
キョロキョロが改善しない場合は、
それ以上の声かけはせずに検査状況を
カルテに記載
して下さい。

【カルテ記載例】

「説明、声かけしましたが
 固視不良改善せず」

無理強いすることで今後の検査協力が
得られにくくなる可能性もあるため、
状況を見て判断することが大切です。

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HFA検査にまつわる失敗談 

HFA検査の失敗談と、そこから
得られた検査ポイントを紹介します。

私の失敗談

説明を終え、検査をスタートした患者さん。

しばらく経ってから

「これ、もう始まってるの?」

と…!!

検査が始まったことに気付かず、
ボタンを押していなかった…。

以後注意したポイント

  • 検査開始後、患者さんがボタンを押しているかどうかしっかり確認する
  • 検査が始まったことがわかりやすい声かけを意識する

検査が始まったことを明確に
伝えて下さい。

「では、始めます!」

「検査スタートしたので、ボタン押してくださいね」

患者さんに優しいHFA検査を心がけよう

HFAは、特に緑内障において今後の
治療方針に大きく影響する重要な検査です。

定期的に行う検査でもあるため、
患者さんに寄り添い、少しでも負担を
減らし、快適に検査が行えるような
環境づくりを心がけて下さい。

視能訓練士

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