今の職場に悩んでいたら・・・
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強度乱視とかの眼鏡処方って、どのくらい乱視矯正すればいいのかよくわからない
完全矯正はできても、乱視の度数を
眼鏡処方値にどう落とし込めばいいか
迷うことも多いでしょう。
乱視矯正は、度数だけでなく軸も
関わってくるため、球面レンズの
処方より倍は手間がかかります。
JBの乱視度数や軸、本人の適応力、
眼疾患の有無などによって処方値
が変わります。
あくまで参考、ほんの一例として、
いくつかのやり方を紹介します。
この記事を書いた人
完全矯正から乱視の眼鏡処方をするヒントがわかる
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地域、施設、症例ごとでやり方が異なります。
あくまで一例として参考にして下さい。
乱視の完全矯正ではなく、3分の1~3分の2程度の間で、患者さんの反応を見ながら装用テスト
完全矯正値 | 眼鏡処方値の例 |
C-0.75D | C-0.25~C-0.50D |
C-2.00D | C-0.75~C-1.50D |
程度の弱い乱視であれば脳で補正されて
しまうため、眼鏡処方では等価球面で
対処したり、乱視を抜いてしまうこと
もあります。
一概には言えませんが、
C-0.75D以上の乱視は眼鏡に乱視矯正を入れた方が満足度が上がる
ことが多いようです。
もちろん「C-0.50Dの乱視だから眼鏡処方値に入れない」というわけではありません
処方値には患者さんのJB度数や乱視の
角度を参考にし、乱視度数の増減を
決める手掛かりにして下さい。
斜乱視は慣れにくい
なお、斜乱視は乱視補正の像のゆがみが
広がり、かなり慣れにくいことが予想
されます。
JB度数にもよりますが、斜乱視は
完全矯正の3分の1程度の弱い度数
から装用テストをして下さい。
軽度の斜乱視は180°か90°にそろえてしまう方法もあります!
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瞬目や閉瞼によってブレを感じにくい
直乱視より、閉瞼の影響を受けにくい
倒乱視の方が、乱視矯正で視力が
上がりやすいことが多いです。
極端に言えば同じC-0.50Dでも、
ということがあります。
視力の変化の例
直乱視 | 倒乱視 |
(1.2× S-1.75D=C-0.50D A 180) (1.2p× S-1.75D) | (1.2× S-1.75D=C-0.50D A 90) (0.9× S-1.75D) |
倒乱視の矯正も歪みを感じやすいので、
「たくさん入れればいい」というわけ
ではありません。
ポイント
という点だけ覚えておいて下さい。
JBと完全矯正で乱視の軸がちがう場合、
乱視度数やJBの使用年数によっては、
患者さんの自覚を優先することがあります。
例
JB度数 | C-0.75D A180° |
完全矯正 | C-1.00D A160° |
聞き方
あの輪っかをしっかり見ていて下さい。
今から私が少しレンズを動かすので、一番見やすいと思ったところで教えて下さいね。
と声をかけ、
視標を見せながらゆっくり
乱視レンズを回転させ、
自覚的な応答を聞く。
どの角度が良かったかによって
処方度数を決定する。
ポイント
視力が上がるのが完全矯正だとしても、
見やすいのがJBの軸なら自覚を優先する。
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乱視の眼鏡処方例を4つ紹介します。
※なお、白内障手術後の強度乱視はトーリックIOLで回避できますが、一般的な強度近視の処方の参考にもなるので、例として載せています。
JB度数 | R (0.7×JB-2.25D=C-0.75D A180) L (0.7×JB-2.25D=C-0.75D A180) |
完全矯正値 | R (1.2×-2.50D=C-2.00D A180) L (1.2×-2.50D=C-2.00D A180) |
眼鏡処方値 | R (1.2p×-2.75D=C-1.25D A180) L (1.2p×-2.75D=C-1.25D A180) |
処方のポイント
JBの乱視矯正から飛躍的に必要乱視度数が上がった例
乱視の歪みを抑えつつ最小錯乱円を網膜上に近づけられる
上記の例では乱視度数も上げつつ、
C-0.50D分を球面度数に等価球面
しています。
ただし上記だけが正解というわけ
ではなく、
など、症例によっても変わるので、
視力の出方や各装用テストでの
患者さんの反応を見て下さい。
JB度数 | 使用歴なし |
完全矯正値 | R (1.0× S-0.75D=C-0.75D A90°) L (1.0× S-0.75D=C-0.75D A180°) |
眼鏡処方値 | R (0.8× S-0.75D=C-0.25D A90°) L (0.8p× S-0.75D) |
処方のポイント
初眼鏡なので慣れやすさを重視
倒乱視の矯正を優先した
初眼鏡であることを考慮した上で
以下を検討。
考察
優位眼が左眼だったらまた違っていた
かもしれない。
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60代女性 | 白内障手術後 |
生活環境 | スーパーでパートタイム 手元は裸眼で見ている 運転はしない |
術前の屈折 | R (0.3×S-2.00D=C-2.50D A180°) L (0.4×S-2.00D=C-2.50D A180°) |
術前のJB度数 | R (JB S-1.25D=C-2.50D A180 / Add+2.50) L (JB S-1.25D=C-2.50D A180 / Add+2.50) |
完全矯正値 | R (0.5×IOL S-0.75D=C-4.00D A180°) L (0.6×IOL S-0.75D=C-4.00D A180°) |
装用テストA | R (0.4× S-1.25D=C-3.00D A180° / Add+2.50) L (0.5× S-1.25D=C-3.00D A180 °/ Add+2.50) |
装用テストB (完全矯正値) | R (0.5× S-0.75D=C-4.00D A180 °/ Add+2.50) L (0.6× S-0.75D=C-4.00D A180 °/ Add+2.50) |
処方の経緯
角膜形状が悪く、白内障術後も視力が
出にくい症例。
弱視だったのか幼少期の話を聞いても、
詳細は不明。
これまで累進JBを使用してきたことから、
本人の希望もあり累進眼鏡にて処方。
装用テスト
等価球面をしたもの(A)と乱視の
完全矯正(B)を比較し、自覚的な違い
を聞いたところ、
「そんなに大きく変わらないけど、Bの方がちょっといい気がする」
とのこと。
強度の乱視の完全矯正でも歪みや違和感を
ほとんど感じていないため、仕事に支障が
ないよう少しでも矯正視力の上がるBを選択
した。
ただし、視力値は数字に過ぎず、自覚的には「そんなに大きく変わらない」とも言っているので、より歪みの少ないAを選択しても良い
結果
完全矯正で処方し、特に問題なく
使えている。
強度乱視に適応できた考察
などが考えられる。
もし「慣れにくい」などあるようなら、装用テストAに順ずる度数を選択してもいいかもしれません
80代男性 | 白内障手術後 |
生活環境 | 杖歩行 ちょっとした家事もする 新聞を読む |
術前の屈折 | R (0.3×S+4.00D C-3.50D A180°) L (0.4×S+4.00D C-3.50D A180°) |
術前のJB | R (JB+3.00D C-4.00D A180°/Add+3.00) L (JB+3.00D C-4.00D A180°/Add+3.00) |
術後の完全矯正値 | R(0.8×IOL -0.25D C-2.50D A180°) L(0.8×IOL -0.25D C-2.50D A180°) |
眼鏡処方度数 | R S-0.25=C-2.50 A180°/Add+3.00 L S-0.25=C-2.50 A180°/Add+3.00 |
再処方度数 | R (0.6)(S-0.25=C-1.75 A180°/Add+3.00) L (0.6)(S-0.25=C-1.75 A180°/Add+3.00) |
処方の経緯
強度の混合乱視JBを使用していたため、
術後も乱視矯正への抵抗は少ないと
考え、完全矯正で眼鏡処方した。
装用テストで「よく見える!」と笑顔
だったが、1か月後の定期受診で
「床やお盆が斜めに歪んで見える」
と訴えて来られた。
歪みの原因を推測
原因の検討
以上を検討した結果、
乱視の特性が変わった(混合乱視から近視性乱視へ)のが一番の原因
と考えられたため、視力が落ちても
自覚的な違和感が少ない度数まで
減らした。
結果
次の受診時には「歪みもなく快適!」
との回答を得られた。
完全矯正より視力は落ちるが術前よりは
上がっており、十分満足している様子。
なお、球面凹レンズへの歪み耐性が低い可能性を懸念したため、あえて等価球面はしていない。
考察
術前のJBで強度乱視の適応があると
踏んでの処方だったが、高齢なことも
あり、急激な屈折の変化に脳内(統合系)
の感覚が追いつかなかったのかもしれない。
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乱視の眼鏡処方は患者さんの満足度
と慣れやすさが相反しやすい検査
でもあります。
程度によっては乱視を抜いたり、等価
球面で帳尻を合わせたりと処方のやり方
も様々です。
切り口が多い方が眼鏡処方の成功率も上がります!
怖がらずに経験値を増やし、より多く
の柔軟な考え方を身につけて下さい。
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