【視能訓練士】転職のご相談はこちら ▶ 無料相談する

視力検査がうまくなる!押さえておきたいコツと困った時の対処法

視能訓練士 視力検査
視能訓練士

視力検査が基本なのはわかるけど、時間がかかったり文句を言われたりしてスムーズにいかない…

視力検査は眼科検査の基本であり、
どの施設においても日常的に行われる
検査です。

特に新人の場合は

  • 「どのレンズを入れるか?」に意識が集中しがち

ですが、検査中の声かけや患者さんの
様子をうかがうことも検査結果に影響
します。

この記事では、視力検査をスムーズに
行うための基本的なコツを解説します。

検査中に意識してほしいポイントや、
悩みがちな場面での対処法も紹介して
いるので、ぜひ参考にしてください。

目次

視力検査で患者さんによく聞かれる3つのこと

視力検査は患者さんとの距離が近い
ため、様々なことを聞かれます。

患者さんに不安感を与えないため
にも、落ち着いて答えられるように
しておきましょう。

1.「視力検査って何を調べているの?」

「視力」や「度数」は視能訓練士に
とっては当たり前の言葉ですが、
一般的にはあまりよく理解されていない
方が多いです。

できるだけかみ砕いた言葉で、
わかりやすく説明しましょう。

視力検査の説明例
  • 「どのくらいまで見えるのかという視力と、一番よく見える度数のレンズを調べています」
  • 「視力と度数は全く別のものです」

2.「この前もしたのにまたやるの?」

視力検査は頻度が高いため、患者さんから

「またやらなくちゃいけないの?」

と言われることもあります。

この場合は、後に控えている検査の
有無や視力検査の目的に応じて、
納得していただけるような説明を
心がけてください。

【視野検査など他の検査がある】

「これから行う〇〇検査を正確に行うために、本日の視力を測らせてください」

【手術やレーザーなどの処置前後】

「手術(処置)前後で視力に変化があるかどうかを評価するため、視力検査が必要です」

【定期検診など】

「先生が〇〇さんの目の状態について詳しく診察するために、前回から変わりないかどうか確認させてください」

先輩視能訓練士

必要な理由を説明しても協力が得られない場合は、無理強いせず医師に確認しましょう

3.「進行している?治る?」

視力検査では患者さんが見え方を
自覚しやすいため、

  • 「前回よりも私の病気は進行している?」
  • 「この病気って治るの?」

など、病気や治療に関する質問も多いです。

先輩視能訓練士

病気や治療についての言及はトラブルの原因となるため、避けてください

視能訓練士

「検査の人には大丈夫って言われた!」なんて診察室でトラブルになりかねませんね…

視能訓練士の立場でどこまで患者さんに
伝えてよいのか、境界線をしっかりと
定めておきましょう。

「病気や治療に関することは私からはお話できないので、診察で先生に聞いてみてくださいね」

視力検査をスムーズに行うコツ

ここでは、視力検査をスムーズに
行うためのコツを紹介します。

  • あらかじめ所見や視野の状態を確認する
  • コミュニケーションも意識する

事前に眼底所見や視野を確認

検査前には必ずカルテや紹介状を確認します。

視力や屈折だけでなく、疾患名や眼底所見、
視野などもしっかりと把握しておきましょう。

例えば、

  • 黄斑部が障害されている
  • 視野が狭くなっている

などの所見がある場合、
視標の提示方法や声かけにも配慮
必要です。

コミュニケーションも意識する

視力検査は患者さんとの
コミュニケーションが重要な検査です。

  • いきなり視標を提示して「これはどうですか?」と検査を始める
  • 患者さんの応答に反応せず黙々と検査を続ける

以上のような検査をしていませんか?

検査時には必ず

「切れ目の方向を教えてくださいね」

と一言説明しましょう。

患者さんの応答にも都度反応しながら
検査を進めることで、信頼関係を築き
やすく
なります。

視力検査中にベテランが意識している3つのポイント

ここでは、視力検査中に意識してほしい
3つのポイントについて解説します

  1. 目を細めていないか
  2. 頂点間距離は適正か
  3. 屈折に対して妥当な視力値か

1.目を細めていないか

検査中は常に患者さんの様子を観察
しましょう。

一生懸命答えようとするあまり無意識
に目を細めてしまう患者さんは多い
です。

そのような患者さんに対しては、以下
のように説明・声かけしましょう。

「目を細めると正確な視力が測れないので、目を大きく開けてお答えください」

「わかるところまででいいので、目を大きく開けてください」

目を細めることがクセになっており、
声かけしても改善しない場合は

  • 「説明や声かけをしても目を細めてしまう」

という旨をカルテに記載してください。

視能訓練士

近視になり始めたお子さんでよく見かけます

先輩視能訓練士

眼鏡を作るかどうかの判断基準にもなりますね

2.頂点間距離は適正か

「頂点間距離が適切に保てているか」
という点も常にチェックしてください。

検眼枠のサイズが合っていなかったり、
レンズを多く重ねたりすると
鼻眼鏡のようにずり落ちて検査結果に
影響
してしまうためです。

お顔に合った検眼枠を選ぶことに加え、
どうしてもずり落ちてしまう場合は
患者さんの手で検眼枠を支えて
もらいましょう。

先輩視能訓練士

屈折異常が強いほど、わずかなズレでも検査結果に影響します

3.屈折に対して妥当な視力が得られているか

視力検査中は、視力と屈折の関係性
常に意識してください。

屈折に対して妥当な視力が得られて
いない場合、再検査して確認する必要
があります。

再検査が必要な例
  • 完全屈折矯正値が-6.00Dにもかかわらず、裸眼視力が0.3
  • 矯正中-0.50Dのレンズを足しただけで(0.6)の視力が(1.5)まで上がった
先輩視能訓練士

まずは「おかしい」と思えること、次に「なぜおかしくなったのか」を考えられることが大切です

こんなときどうする?視力検査の「困った!」

ここでは、視力検査中に困りがちな
場面について、その対処法を解説します。

矯正しても視力が出ない!

前回値と比べて視力が出ない場合は、
粘って時間をかけすぎないよう
注意しましょう。

度数調整などによる確認は必須ですが、

「視力が出ない」という結果も診察において重要な情報

なのです。

検査結果に自信がない場合、可能で
あれば他のスタッフに再検査をお願い
しましょう。

先輩視能訓練士

その場合はできるだけ早い段階で声をかけてくださいね

どのレンズを当てても「よく見える」と答える

視力検査では「具体的な聞き方」
必要です。

例えば、レンズを当てて

  • 「どちらがよく見えますか?」

という聞き方ですが、これだと「レンズ
を重ねていない方が明るくて見やすい

と答える可能性があります。

視能訓練士

たしかに、これは本来ほしい回答とは違いますね…

患者さんの返答がこちらの意図と
異なることに気づいたら、

◎「Cがよりハッキリ見えるのは1枚目と2枚目、どちらですか?」

などと具体的な質問に変えてみましょう。

また、

  • 「レンズは多く重ねるほどよく見える」と思い込んでいる患者さん

もいます。

「どちらのレンズがはっきりと見えますか?」

「(確実に見える視標を出して)切れ目がよりハッキリ見えるレンズはどちらですか?」

など、常に具体的な聞き方を意識しましょう。

先輩視能訓練士

「複数の解釈ができる質問」より「確実な答えを聞くための具体的な質問」をしてください

基本を押さえて視力検査をマスターしよう

視力検査は眼科検査の基本でありながら、
とても奥が深い検査です。

難しく感じる方も多いかもしれませんが、
眼科分野を深く学んできた視能訓練士
としてのスキルを発揮できる検査でも
あります。

まずは基本的な手技や考え方をしっかり
と押さえることが重要です。

その上で、失敗を重ねながらどんどん
経験値を積んでいきましょう。

先輩視能訓練士

「視力検査は誰がやっても同じ」ではありません!

常に考えながら行い、経験を積めば、より精度の高い結果を出せるようになりますよ

 

視能訓練士 視力検査

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次