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検査時に患者さんをお呼びして、
まず最初に行うのが問診です。
臨地実習中や入職したばかりの
新人が任されることも多いでしょう。
問診は、検査や診察をスムーズに
行うためにとても重要な項目です。
この記事では、問診において検査や
診察に必要な情報をうまく引き出す
ためのポイントを解説します。
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問診の段階で必要な情報を聞き出せ
れば、検査や診察の効率化につなが
ります。
問診が不十分だと必要のない検査を
したり、診察に時間がかかったりと
正しい診断結果が出るまでに遠回り
してしまう可能性があります。
また、問診から得られた情報で検査の
方向性や注意すべきポイントが把握
できることも多く、視能訓練士が
検査を行う上でも役立ちます。
問診では、緊急性があるかどうかも
常に意識し、早急な診察や処置が
必要なケースを見抜くことが重要です。
具体的には以下のような症状や疾患
が挙げられます。
緊急度の高い眼科疾患
緊急性があると考えられる症状
急激な視力低下に加えて「視界に
カーテンのような膜がかかって見える」
といった訴えがある場合は、網膜剥離
の可能性も考えられます。
流行性角結膜炎(EKC)が疑われる
場合は院内感染を防ぐため、検査を
行わず診察に回す必要があります。
確認したいポイントは以下の3点です。
「充血」「めやに」「かゆみ」などの
訴えがある場合は、EKCの可能性も
考えながら問診を進めましょう。
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問診では、患者さんの訴えをそのまま
聞き流せばよいわけではありません。
話を聞きながら要点をまとめ、詳しく
確認すべき点に対しては、こちらから
質問することも必要です。
問診を取りながら、患者さんと一緒に訴えを整理していくイメージで行ないます。
患者さんとのコミュニケーションは、
問診や検査をスムーズに行うために
とても大切です。
しかし時には「問診をしていたはずが、
気付いたら患者さんと世間話になっていた」
ということもあります。
話が逸れていることに気付いたら軌道修正し、流されないように意識しましょう
初診では問診票をもとに患者さんの話を
聞いていきます。
主訴が多い場合は「最も困っている症状は
どれか?」と確認し、受診した理由や優先
順位を明確にしましょう。
「特に困っているわけではないが当てはまる
症状には丸をつける」という患者さんも
少なくありません。
初診の問診では目の症状に加えて以下の
ようなことも確認し、患者さんの情報を
集めます。
「見えにくい」訴えがある場合は
散瞳の可能性も考慮し、交通手段も
確認しておきましょう。
例)初診の60代女性「急に見えにくくなった」
・「急に」とは具体的にいつ?
数時間前?数日前?数か月前?
→ 緊急性の有無を確認
・どのような見えにくさ?
→ かすむ、ぼやける、真っ暗になるなど
・見えにくいのは右目?左目?両目?
・見えにくいのは遠方?近方?
・眼鏡は装用している?
→ 装用している場合:眼鏡をかければ見える?
※見えにくい=「眼鏡をかければ見えるが、
裸眼だと見えにくい」という場合もある
・来院時の交通手段は?
→ 主訴から散瞳の可能性が考えられるため
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再診の問診は「変わりない」の一言で
終わることも多いですが、患者さんから
の訴えや情報を聞き流さないように注意
します。
特に、眼鏡処方や手術、レーザー後の問診は
丁寧に行なって下さい。
問診の「聞き方」も大切です。
「変わりないですか?」
だけではなく、
「前回は〇月に来院されていますが、その後目のことで変わった点や気になる点はありましたか?」
という聞き方をすることで、患者さん
も前回受診時以降のことをイメージ
しやすくなります。
また、問診時には特に訴えがなかったと
しても、その後の視力検査で前回値よりも
明らかな視力低下が認められる場合は、
再度見え方について確認して下さい。
例)50代男性
「前回、初めて近用眼鏡を処方した」
・眼鏡は作成したか?
→ 作成していない場合:
その理由は?作成する意思はあるか?
・本日は作成した眼鏡を持参しているか?
→ 処方通りか度数を確認
・作成した眼鏡を使用しているか?
→使用していない場合:
その理由は?装用感?見えにくい?
→使用している場合:
装用感はどうか?気になることはないか?
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小児の問診は基本的に保護者に対して
行なうことが多いですが、受け答えが
可能な年齢であれば本人に対しても
行います。
その場合は必ず保護者からも普段の
様子を聞き出し、本人の訴えと照らし
合わせましょう。
心因性視力障害が疑われる場合は、
本人と保護者への問診を同じ場所で
行わないよう配慮してください。
例)小学2年生の女児
「学校健診で両目ともC判定だった」
(本人に対して)
(保護者に対して)
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患者さんをお呼びして一番最初に行なう
問診は、眼科検査や診察の基本です。
情報をうまく引き出せれば、その後の
検査や診察が効率的に行なえるため、
結果的に患者さんの負担も軽減できます。
問診の聞き出し方や言葉選びによっても、
患者さんから得られる情報量は変わって
きます。
患者さんの気持ちに寄り添って、
と振り返りながら問診術を高めていきましょう。
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