今の職場に悩んでいたら・・・
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今回インタビューをした佐伯さん(仮名)は、視能訓練士の資格を取り大手医療機器メーカーに就職して10年以上のベテランです。
なぜ企業へ就職しようと思ったのか、企業の魅力とは何か、医療機器メーカーで働きたい視能訓練士のためのアドバイスなど、詳しくお聞きしています。
経歴
視能訓練士資格取得後、大手医療機器メーカーに就職
臨床ではなく企業で働こうと思った理由は何ですか?
視能訓練士一本で働くことに疑問を感じたからです
学生時代にアルバイトで臨床現場を経験しており、当時はレーシックやコンタクトレンズが流行のピークで、魅力的に写っていました。
しかし同時に、流行にはいつか終わりが来るので「このまま視能訓練士でいていいのか」と懐疑的でもありました。
もともと製薬会社に興味があったものの、薬学部への進学にはハードルが高く、せっかく視能訓練士の資格を取ったのだから、目に関する企業で働いてみようと思ったのがきっかけです。
就職活動の時期や方法を教えて下さい
大学2年の頃から情報収集をし「何をやってきて何をしていきたいか」を明確にするようにしました
とにかく、学校帰りや土日休みも使い、ひたすら会社説明会に参加していました。
眼科系だけでなく、医療関係や外資系の企業の説明会にも申し込みました。
OBサークルも利用しながらいろんな先輩に話を聞き、「どのメーカーのどこがいい」「人事評価のポイントはどこだ」という情報を徹底的に調べていましたね。
面接では必ず「視能訓練士なのになぜ企業に就職したいのか」と質問されるので、これに答えられるような自己分析をしっかり行なっていました。
佐伯さんの業務内容を教えて下さい
私は各エリアの営業担当を経て、現在はマーケティング部に勤務しています
以前は担当エリアを持つ営業職で、エリア内の施設をすべて対象に、病院やクリニックを訪問し、取扱い機器の販促活動から故障対応、器械の取り扱い説明などを行なっていました。
地域によってはイベントごとに眼科訪問をしたり、直接飛び込み営業をしたりすることもありました。
現在はマーケティング部で担当検査機器に関わるほとんどの業務を行なっています。
販促活動や販売後のフォロー、新製品の市場評価の検証や開発部との情報交換などに携わっています。
臨床と違う、企業で働くことのメリットは何でしょうか?
年収が上がること、人脈が広がること、次の転職に有利になることです
実績を上げた分だけ評価されるので、成果を出せば視能訓練士業界とは比べ物にならないほど年収が上がります。
新製品の立ち上げに携わることもあり、臨床的な発展に役立てるのも大きな満足感につながります。
多くの眼科関係者との人脈も広がるので、将来転職する際の選択肢が広がるでしょう。
また、企業での就職経験者は転職エージェントから紹介されやすくなるので、次の就職先を見つけるのに有益なことは間違いないですね。
逆にデメリットはありますか?
勤務時間の長さと休みが不定期というところでしょうか
営業マン時代のことですが、営業先によっては退勤時間が夜10時頃になることもありました。
土日診療の眼科さんで器械の故障があると、ただちにサポートしなければいけないため、急な出勤や連休が取りづらいというデメリットがあります。
ただ、大きな病院で論文や研究をしている視能訓練士さんなら、同じくらい深夜まで残る人や日曜に学会発表する人*もいると思います。
*研究や学会発表で時間外手当の出ない眼科施設が多い中、企業では残業代が出ます
営業職で成功するために求められるスキルは何でしょうか?
『人たらし*』であるということですね
*人たらしとは、周囲の人から慕われ、人の心を掴むのがうまい人のこと
営業スキル自体は入社してから身についてきますが、「この人から買いたい」という人間的魅力を磨けるかどうかが一番大切だと思います。
社外との関係を良好に保ち、誠意を持った行動ができることが営業に必要な最大のスキルです。
もちろん努力は必要ですが、営業スキルはあとからでも身につけられます。
視能訓練士かどうかは関係なく、「この人だから買う」と言わせられる、そんな人間性が求められますね。
実際の年収はどのくらいか教えて下さい
現在は約600万円ですが、バリバリの営業マンだった頃はもっとありましたね(笑)
私の勤務先では、日額3000円の営業日当のほか残業代だけでも月数万円上乗せされるので、営業担当の年収は600万円後半になります。
そのほか売上の数字を伸ばすと、さらに満額4万円がインセンティブとして入ってくるので、多い時は700万円前後の収入となります。
それ以外にも年間の昇給が1~2万円あり、全体として見ても「働いて成果を出した分だけ年収が上がる」というイメージですね。
就職した後に気をつけるべきことはありますか?
「私は視能訓練士です」を出さないことです
少なくとも医療機器メーカーがほしいのは「視能訓練士であること」ではなく、「営業成績を出せる人材」であり、製品を売る力なのです。
「視能訓練士だから売れる」ことはなく、必要なのは人間力や営業スキル。
それに気づかないまま視能訓練士であることを売りにしようとしても、まず面接で通りませんし、入社できたとしても大事な人間関係に影響する可能性があります。
視能訓練士であることを伏せたまま誠実な仕事をし、営業先の医師に「君、知ってるね」と感心してもらえた時に初めて明かす。
その結果ぐっと距離を縮められ、営業成績につながれば、視能訓練士の資格を活かせたと言えるでしょう。
「視能訓練士であることはプラスアルファに過ぎず、あくまで営業マンとして求められている」ということを忘れない方がいいですね
企業に興味がある視能訓練士にアドバイスをお願いします
「ものを売る」というマインドをイチから作って下さい
臨床では対患者さんで決まった検査だけしていれば売上になりますが、企業、特に営業職では「自分で売上を作る」ことを意識しなければいけません。
働き方や環境がまったく変わるので、自己啓発に努めながら、自分の役割に対する考え方をリセットする必要があります。
もし企業に興味があるなら、すぐにでも情報収集とエージェント登録を行うべきですね。
どんな企業がどんな職種を募集しているのか、どんな業務内容なのか、実際働いている人の情報をかき集めましょう。
悩む前にまず行動する、飛び込んでみることが企業転職への第一歩です。
視能訓練士はあくまで付加価値、それより営業スキルを磨く方が大事とは、あらためて有益な情報でした
佐伯さん、ありがとうございました!
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