みるみるプロジェクト鈴木代表理事&視能訓練士平良さんへインタビュー!
子どもメガネや「みる力」の育成サポートを行なう、みるみるプロジェクトの鈴木代表理事と視能訓練士の平良さんにお話を伺いました。
ポップなロゴデザインが大変可愛らしいみるみるプロジェクトの、発足の経緯や活動内容などを詳しくお聞きしています。
みるみるプロジェクトとは
斜視弱視治療の子どもの目を守るための視能訓練士・眼鏡店・眼鏡メーカー・保護者をつなぐネットワーク。
2019年発足。
みるみるプロジェクトの目的
みるみるプロジェクトはどんなことを目的に行われていますか?
子どもたちの目を守り育てるネットワーク作りです
格安の眼鏡店が増え、視能訓練士さんの中にも小児検査の経験を積みにくい方もいらっしゃいます。さらに、本当に子どもたちの目を守るためには、視能訓練士や眼鏡店、フレームやレンズメーカーとの協力が必要です。
患児を中心とし、これまでバラバラだったこれらの関係を深めて、連携しやすいように結び付けていくということが使命だと思っています。
みるみるプロジェクト発足の経緯
みるみるプロジェクト発足のきっかけは何ですか?
私が医療機器ディーラー時代に視能訓練士さん、眼鏡店、各メーカーと関わる機会があったのが始まりです
私が視能訓練士の平良さんと出会った大里眼科では、多いときには月に100件もの弱視治療用眼鏡の処方箋が発行されていました。
提携している眼鏡店は、子ども眼鏡向けの高いフィッティングや加工技術を持っています。フレームやレンズメーカーも同じく、プロ意識をもってこだわりぬいた仕事をしています。
しかし、激安の眼鏡店がシェアの8割を占める現在、弱視治療の子どもたちが本当に必要としている眼鏡店や品質の良い眼鏡を提供できる機会がどんどん失われているのが現状です。
これをなんとかしたいと思い、視能訓練士さんやエンドユーザーである保護者も巻き込んで発足したのがみるみるプロジェクトなのです。
みるみるプロジェクトに関わっているのはどんな方々ですか?
視能訓練士や眼科医、眼鏡メーカーの社長さんなどです
みるみるプロジェクトの根幹に携わっているのは、私と平良さん、監修医の辰巳貞子先生、近藤義之先生、オリエント眼鏡の梅田社長の5名ですね。
特に辰巳先生は小児眼科歴50年の大ベテランで、視能訓練士第一期生とともに斜視弱視を勉強されたご経験もある方です。
また、みるみるプロジェクトアドバイザーとしてセミナーを担当して下さっているのが視能訓練士の本武さんです。
プロジェクトの中核は私と平良さんで作りましたが、内容が偏らないよう、今後も志の高い視能訓練士さんや眼鏡屋さん、メーカーさんと提携していきたいと思います。
みるみるプロジェクトの活動内容
みるみるプロジェクトは主にどのようなことを実施しているのですか?
手帳、セミナー、メディア、加盟店情報の4つのコンテンツがあります
みるみる手帳は弱視治療の経過を記録するためのもので、みるみるプロジェクトの代表的な取り組みです。
みるみるセミナーは若手視能訓練士の視野を広げるために実施しているもので、現在約2ヵ月に1回ほどのペースで開催しています。
みるみるネットは弱視治療中の子どもを持つ保護者への啓発サイトとして運営しています。
みるみるshopには高い技術を持った眼鏡店を掲載し、保護者が簡単に眼鏡店を検索できるよう作りました。
今回はみるみる手帳について教えて下さい
みるみる手帳は情報共有と子どものモチベーションアップのために作りました
みるみる手帳は私が大里眼科に勤務していた際、視力のグラフを画用紙で作り始めたのがきっかけです。2019年に初版を発行し、現在は第4版まで増版しています。
それまで視力の結果を口頭でしか保護者に伝えておらず、自分でメモを取る人もいれば、ちゃんと聞いてくれているのかわからない人もいるなど、曖昧なままになっていました。
一歩ずつ視力を上げていき、両眼視機能を獲得するために行なっている努力の結果を目に見える形として記録し、共有していくべきだと考えました。その結果生まれたのがみるみる手帳なのです。
みるみるプロジェクトが目指す世界観
みるみるプロジェクトが叶えていきたい世界観はどんなものでしょうか
小児検査へのホスピタリティの重要性と仕事の喜びを再認識してもらえるようなサポートをしていきたいですね
ホスピタリティというのはAI化できないものです。どれだけ最新の器械を扱っていたとしても、患者さんが最終的に求めてくるのは、思いやりや気遣いができるといった人間性のはずです。
私たちみるみるプロジェクトでは、「手帳・セミナー・ネット・shop」を通じて、視能訓練士さんが患者さんや眼鏡関係者たちと結びつき、学べる機会を提供しています。
手帳やセミナーを活用して視能訓練士としてのレベルアップに役立てて頂き、意識を高めてもらえるお手伝いをしていきたいと思っています。