今の職場に悩んでいたら・・・
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「臨床の視能訓練士から企業の視能訓練士へ」
今回は大学の研究や臨床現場に従事して、10年以上のキャリアを積んできた篠原さん(仮名)へのインタビューです。
現在、眼科医療機器の開発企業で働く篠原さんに、転職の理由ややるべきことなどをお聞きしています。
経歴
臨床現場から企業に転職しようと思った経緯を教えて下さい
約10年臨床に出ており、やりがいに限界を感じ始めたのがきっかけです
大学病院で研究をしていた時期もありましたが、クリニックに転職し、毎日同じルーティーンを繰り返すことに飽きが出てきていました。
勤務先にはGPもなく、外来数も40人から多くて80人ほど。メリハリがなく、やりがいが落ちてくる時期でした。
臨床ではない働き方を模索して求人情報を収集していた結果、今の職場と出会い転職を決めたという経緯です。
現在どのような職種で働いていますか
学術関連で入職したので研究が基本ですが、担当製品の窓口も任されています
大学病院との共同研究をしながら医療機器の開発や運用に携わるほか、ディーラーの営業補助を行ない、製品の細かい技術や利用シナリオを説明しています。
また、製品の窓口としてホームページの草案を作ったり、眼科ではない医療機関に製品の解説をしに行ったりすることもあります。
勤務形態はどのようになっていますか?
出張、本社出勤、リモート勤務の三つに分かれています
基本的に出張がメインなので、毎日のように全国を飛び回っています。学会にも参加し、機器展示ブースにいたり、聴講をしたりと多様な動き方をしています。
それ以外は本社に行く必要がある時だけ出勤し、本社でする作業がない時はリモートで勤務するなど、日々やることに変化があるのが臨床との大きな違いです。
給料や休みはどのようになっていますか?
収入は視能訓練士時代より上がり、有給取得も積極的です
転職エージェントを利用したおかげで、給料はもともと提示されていた額よりアップした状態でスタートできました。
残業代もしっかり入るので、多い時の月収は約44万円です。
土日祝日休みの完全週休二日制ですが、学会に参加した時は代休を取り、代休が取れないときは休日出勤手当がもらえます。
繁忙期には休日出勤することがあるので、柔軟に対応できた方がいいですね。
企業に行くメリットとは何でしょうか?
「世界が広がった」というのが一番大きいメリットです
これまでは自宅と病院を往復するだけの毎日でしたが、今は全国を飛び回りながら仕事ができます。
新しい土地に出向くとそれだけで新鮮で、いろいろな人との出会いで人脈も広がり、文字通り世界が広がった印象です。
特に学会であこがれていた先生と同じ目線に立って仕事ができたのは魅力的でした。
リモート勤務では朝起きてすぐ仕事をスタートできるのがいいですね。
成果を出していれば勤務時間の判断を自由に任されるので、ありがたいです。
家族からは「生き生きしてるね」と言われています(笑)
メリットはたくさんありそうですが、逆に企業で働くデメリットはありますか?
自社製品に興味を持てないとつらいと思います
興味を持てないと勉強する意欲もわかないし、質問に対して答えられなかった時も調べようとしなくなってしまいます。
企業ではそれだけ常に勉強が必要なので、学び続けるモチベーションを維持するためにも、自社製品に関心を持てるかどうかは非常に重要です。
また外来診療されている大学病院教授や先生たちとのミーティングは、診療終了後となるので、開始が19時や20時になることが普通です。
夜遅くまで働くのが嫌な人にも向いていないかもしれませんね。
どんなところで視能訓練士が必要とされていると感じますか?
深い質問をされた時に、経験と知識を持って回答できることです
私が担当している検査機器は、眼科だけでなく臨床検査技師や内科医の方にも扱ってもらうものです。
目の知識がないスタッフさんに対して説明する時に、濃い知識を持っているからこそかみ砕いて説明できるのは強みですね。
また、自分の知識をディーラーさんにも活用してもらうため、ディーラーさんに向けた勉強会も実施しています。
以上のようなことは経験を積んだ視能訓練士でないとできません。
どんな人が企業に行くべき、または向いていると思いますか?
一つのことを極めたい人ですね
私の場合、緑内障の研究に長く従事していたこともあり、企業では緑内障や視野関連の分野を極めたいと考えています。
ある医療機器メーカーに転職した知人(視能訓練士)も「前眼部に特化したい」と言っていました。
これまで研究経験がなかったとしても、入職してから「この専門領域を伸ばすんだ」という熱量を持てる人は企業に向いています。
企業に必要なパソコン(PC)スキルはどのくらいですか?
一般的な大学生が使うレベルのPCスキルは必要です
私は過去に学会発表を経験していたので、最低限のPCスキルはありました。
ざっくりとした統計ならエクセルを使用できましたし、後輩の指導でパワーポイントを使っていたこともあります。
特別なスキルではないものの、最低限扱えるレベルは必要ですね。
転職活動はどのように行ないましたか?
常に転職情報をチェックしていました
とにかく情報収集を行ない続けることが重要です。求人が出ないことには始まりません。
企業の求人は数も少なく、ほとんど営業職での募集だったので、運転免許のない私には別の職種が必要でした。
ある時、たまたま研究職としての募集を発見し、その企業の製品を職場でも触ったことがあり、とても興味深かったので応募を決めました。
行動力が大事ですね!転職エージェントの利用はいかがでしたか?
よかったです。利用していなければ給与交渉までできなかったでしょう
メールアドレスを登録して転職エージェントと繋がり、日程調整や給与交渉の代行など、いろいろサポートしてもらえましたね。
企業への転職は初めてだったので、自分一人で活動するのはかなり難しいと思います。
使えるものは使った方がいいですね。
転職するにあたり、やっておいてよかったことはありますか?
企業に求められている臨床の知識を身につけていたことです
私は視野に関する勉強や臨床検査が好きでしたので、視能訓練士としての経験をしっかり身につけていたのが役に立っています。
ただ、斜視弱視など専門分野以外の領域がちょっと苦手なので、今後たとえば眼位検査の機器開発に携わる場合は、もっと勉強し直さなくてはいけませんね。
企業への転職に興味がある視能訓練士にアドバイスをお願いします
自分のやりたいことを具体的に考えて臨むべきですね
「この企業の、この商品が好きだから、ここに入社したい」という目的や熱量がないとまず無理だと思います。
どんな企業か、どんな人材が求められているか、ホームページを見るなどしてよく企業研究をすることです。
特にベンチャー企業の場合は、既に在籍している人と同じような人材は必要とされません。
自分のやりたいこと、できることを明確にして応募するのがいいでしょう。
臨床での得意ジャンルをしっかり身につけ、企業が求めている人材になれることが大事ですね。
篠原さん、ありがとうございました!
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