今の職場に悩んでいたら・・・

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心因性の検査って時間がかかるし止めどころがわからないし、苦手だなぁ…
心因性視力障害が疑われる小児の
視力検査は、一般的な検査とは
切り口を変えた手技が必要です。
「なかなか視力が出ない症例に対して疲弊してしまう」
「トリック法でどこまで粘ればいいのかわからずに悩む」
というように、苦手な人も多い
かもしれません。
今回は心因性視力障害が疑われた場合の
視力検査の方法を解説します。
ここからは、具体的な視力検査の方法
について解説します。
心因性は家庭環境が原因になっていることも多いため、原則として検査中は保護者と引き離し、お互いが干渉し合わないようにして行なって下さい
すでに心因性視力障害と診断されて
おり、毎回トリック法を行なっている
などの場合を除き、まずは通常通りの
手順で視力検査を行って下さい。
「この子、ちょっと怪しいな」と思って
も、いきなりトリック法での検査を行う
と、それらに反応して視力が出たのか、
あるいは元々視力が出る状態だった
のかを判断できなくなってしまうため
です。
この時点では粘る必要はなく、
「通常通りの視力検査で視力が出るかどうか」
を確認して下さい。
視力が出ない場合、トリック法に移ります
心因性疑いの視力検査で最も大事
なのは思い込ませること。
次のような、
「あれー?今の輪っかはマンガの文字と同じくらいのサイズだから、見えてるはずなんだけどな~?」
という根拠のない声かけでも「見えるはず」
と思い込ませることに成功すれば、声かけ
のみで視力が上がることもあります。
トリック法には、
などがあります。
単体で使うというより、雲霧と中和と
Planeレンズを組み合わせて使うこと
も多いです。
トリック法を使えば100%視力が出るわけ
ではないため、「視力が出なかった」と
いう結果を受け止めることも大事です。
一方で、心因性視力障害の中には、
トリック法に全く反応しない症例も
少なくありません。
視力が出なくても必要以上に時間を
かけて粘る必要はなく、
「トリック法を行ったが、視力が出なかった」ということも大切な検査結果
と捉えましょう。
トリック法においては声かけも
重要です。
小児がリラックスして検査できる
ような、明るく楽しい雰囲気づくり
を常に意識して下さい。
レフ値がやや近視寄りの場合、実際に近視
があり、近視と心因性が併発している可能性
も考えられます。
例
セリフ、声かけ例 | 実際の動き |
「少しぼやけるレンズを入れるよ~」 | レフ値に+1.00Dのレンズを入れる |
↓ 「ほら、このレンズでちょっと 見やすくなったでしょ?」 | 反応の見ながらー0.50Dずつ上げ、 ±0D付近まで進める |
↓ 「今から2枚のレンズを比べるから 良い方を教えてね」 | ①+0.25D、②Planeの順で交互に重ねる (たいていは②と答える) |
↓ (上記を繰り返す) | ②でも視力の上昇がみられなくなったら、 ②Planeの代わりに-0.25Dを重ねる (次はまた±0を狙いながら交換) |
例
セリフ、声かけ例 | 実際の動き |
「少しぼやけるレンズを 入れるよ~」 | +1.00Dのレンズを入れる |
↓ 「よく見えるレンズを 入れるね~!」 | -0.50Dのレンズを重ねる(合計:+0.50) |
↓ 「もっとよく見えるレンズ 入れるね!」 | さらに−0.50Dのレンズを重ねる(合計:±0D) |
↓ (反応を見る) | ±0Dの状態またはレンズなしの状態でPlaneレンズを重ねる |
「他にもよく見える度数があるから、試してみるね!」などと声かけしながら、「これはよく見えるレンズなんだ」と思い込ませることが重要です
筆者の経験上、以下の「トリック」も
よく使っています。
①レンズを足すと見せかけて同じ度数に入れ替えるだけ
検眼枠:S+0.25×2枚とS-0.25×1枚の状態
「入りきらないから入れ替えるね」と称して1枚の+0.50Dを入れる
※「見づらい」とバレることもあるが、バレなければ「見やすくなった」と反応することも
②Planeレンズの代わりに0.25ΔやC-0.25Dレンズを使用
プリズムや円柱レンズのわずかな違和感で「レンズが変わった=見やすい」と思い込ませることがある。
③近見視力やTSTも併用してみる
遠見視力と相関のある近見視力の検査結果を試したり、TSTの結果から視力の程度を予想したりすることもできる。
また、気分転換にもなる。
症例によっては裸眼に戻った瞬間に
「魔法が解けてしまう」こともあり
ますが、とりあえずやれることは
何でもやってみるのが心因性の検査の
基本です。
検査中に試したトリック法や小児の
反応などは、カルテに記載して下さい。
診察や次の検査に役立つ場合があります。
R 0.3(1.2.✕Plane)
L 0.2(1.2.✕Plane)
【コメント】
※声かけ、Planeレンズにて上記まで視力が出ました。
R 0.1(0.3p✕±0D)
L 0.3(0.4✕S−0.25D)
(R➡S+0.50DにS−0.50Dを重ねて)
(L➡S+0.50DにS−0.75を重ねて)
【コメント】
※やや雲霧した状態から開始し、声かけしつつ打ち消し法を行いましたが上記まで。
※Planeレンズも試しましたが、反応せず。
※応答は指さしで検査中、本人からの発言はほとんどありませんでした。
レンズ交換時
とにかく褒めまくる
緊張を解いて安心させる
雑談をする
心因性の検査には嘘や大げさなパフォーマンス
などを使い、いかに患児に「思い込ませるか」
が重要なポイントとなります。
小さなことでほめ、励まし、少しでも視力が
上がる方法はないか、あらゆる手段を試して
進めて行きましょう。
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