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【教科書にはないコツや声かけ】小児視力検査の悩みを解決

子供の視力検査
この記事でわかること

小児の視力検査の検査のコツや
具体的な声かけ

視力検査は小児においても大変重要な
検査ですが、集中力が続かず検査協力が
得られにくいという特徴があります。

前編では、検査を嫌がる子どもへの対応を
中心に、小児視力検査における悩みに対しての
解決策をまとめました。

後編では、小児視力検査全体を通して、
教科書にはない検査のコツや
効果的な声かけなどを紹介します。

前編と併せてぜひ参考にしてください。

目次

小児視力検査のコツ

小児の視力検査では、大人の検査とは
異なる心構えやコツをおさえておく
必要があります。

ここでは、視能訓練士として
多くの小児視力検査を経験してきた
私の経験をもとに、
教科書にはない検査のコツを紹介します。

必要な検査と優先順位を考える

小児の視力検査では、その症例にとって
最低限必要な検査と優先順位を事前に考え、
明確にしておくことが大切です。

小児は検査協力が得られにくく、
集中力が長く続かないという
特徴があるためです。

行き当たりばったりの検査をしてしまうと
必要な検査まで辿り着かなかった……
ということにもなりかねません。

あらかじめ検査の順番を考えておくと
心に余裕が生まれ、
焦らずに検査を行うことができるでしょう。

心に余裕が生まれ、焦らずに検査を
行うことができるでしょう。

例えば「左眼の弱視疑い」で
通院しており、眼位異常等のないことが、
前回検査までにわかっている場合、
診察で必要なのは
左眼の視力がどこまで出るか
という情報(検査結果)です。

この場合、眼位検査などには時間をかけすぎず、
優先的に左眼の視力検査を行うことを
意識するとよいでしょう。

どうしてもできない場合は粘らない

集中力がこれ以上続かない、
検査を嫌がってしまうといった場合、
その症例にとって必要な検査ができていれば
粘りすぎないことも大切です。

潔く終わりにして、
次の検査員にゆだねましょう。

小児の検査では、自分が担当する1回で
すべてを行うのは難しいものです。

今回の検査ではここまで検査できたので、
次回はここまで検査する
」と段階を踏んで
検査を行うイメージを持つと良いでしょう。

そのため、次回の検査時に役立ちそうな
情報や引継ぎ事項があれば、以下のように
カルテに記載しておくことをおすすめします。

  • 待合室での眼位
  • 片眼を手で隠して嫌悪反射の有無を確認
  • 家での様子や気になることなど
    保護者への問診を詳しく行う
  • 好きなキャラクターや興味があること
  • (もしあれば)機嫌が良い時間帯

何か一つでも診察や
次回につながることを残す

なかには「終始泣きじゃくってしまい
何も検査できない」ということもあります。

そんなときは検査以外で
得られる情報がないかどうかを考えます。

検査ができなくても諦めず、以下のように、
何か一つでも診察や次回の検査に
役立ちそうな情報をカルテに残しましょう。

  • 待合室での眼位
  • 片眼を手で隠して嫌悪反射の有無を確認
  • 家での様子や気になることなど
    保護者への問診を詳しく行う
  • 好きなキャラクターや興味があること
  • (もしあれば)機嫌が良い時間帯

また、初診や検査に慣れていない場合は、
絵視標やランドルト環の練習用紙を
保護者に渡し、家で練習してきてもらうよう
お願いすることも効果的です。

検査に慣れ親しんでもらうことが目的のため、
無理をせず遊び感覚で
取り入れてもらうように伝えましょう。

2.小児検査時に使える!
声かけや検査の工夫

小児視力検査では、ただ淡々と
検査をしているだけでは
小児の興味を引くことはできません。

ここでは私の経験を踏まえ、
小児の集中力やモチベーションを
維持するために効果的な
以下の2点について詳しく解説します。

  • 小児に合った声かけ
  • ちょっとした検査の工夫

2.1 小児に合った声かけ

小児検査においては、声かけが必須です。
また、自分自身もできるだけ
テンションを高く保ち、
少しでも検査ができたら
少しおおげさに感じるくらい、
小児をほめましょう。

ここでは、私が実際に使っていた
声かけの例を紹介します。

「よーく見てから教えて!」
「すごいね!」
「かっこいいね!」
「えっ、こんな小さいのがわかるの!?」
「〇〇ちゃん(くん)すごい!」
「お姉さん(お兄さん)わからないから、
〇〇ちゃん(くん)教えて!」

小児によって効果的な声かけは異なるため、
会話でのコミュニケーションや
反応を見ながら、その子どもに合った
声かけを探っていきましょう。

例えば、好きなキャラクターがいる場合は
積極的にその名前を出します。

プリンセスやヒーローなど
憧れの存在に対しては
すごい!かっこいい!〇〇みたいだね!」と
いう声かけが効果的です。

また「妹や弟がおり、自分はお姉さん
(お兄さん)だとうれしそうに話す

幼稚園や保育園で〇〇組になった」と
言っている場合は「さすが!お兄さん
(お姉さん)・〇〇組さんだね!
」という
声かけでモチベーションを
上がる場合もあります。

ちょっとした検査の工夫

ちょっとした工夫を検査に取り入れることで、
小児の興味を引いたり検査協力が
得られやすくなることもあります。

ここでは、簡単にできる
検査の工夫例を紹介します。

積極的に小児とコミュニケーションをとる

特におしゃべりができる
年齢の場合は検査中、積極的に
コミュニケーションをとることを
意識しましょう。

会話の中で
小児が好きなもの・興味があるもの、
また、把握効果的な声かけなども
把握できることに加え、
信頼関係を築いて検査しやすい
環境をつくることにも役立ちます。

検査の小物やシールなどを選ばせる

施設の検眼枠やランドルト環の
ハンドルなどに色の種類がある場合は、
小児が好きな色のものを
選ばせるのも効果的です。

種類が限られている場合はシールなどを
用意して選ばせ、それを貼って
検査してもよいでしょう。

小児は、一方的に渡されるよりも
自分が選んだ」ものの方が
興味を持ちやすい傾向があるためです。

会話内容の例)

  • 「〇〇のTシャツだね!〇〇が好きなの?」
  • 「幼稚園(保育園)で何組さんなの?」
  • 「何色が好きなの?」

小児視力検査のコツまとめ

小児視力検査において大切なのは、
症例にとって必要な情報(検査結果)を
見極め、その情報を得るための検査を
子供側がより良い集中力やモチベーションで
協力的に行ってくれることです。

小児視力検査をスムーズに行うためには
経験が必要ですが、事前準備や声かけ、
ちょっとした検査の
工夫などを意識するだけで、
効率良く検査可能になります。

本記事が現在、小児の視力検査に
悩まれている方の明日からの臨床に、
少しでも役に立てば幸いです。

 

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