今の職場に悩んでいたら・・・
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いつも検査途中で集中切れちゃって、ハンドルで0.8止まり…
どうやったら1.0まで確認できるのかな?
どうしても弱視でないことを確認したいのに、いつも途中で飽きてしまい、あと一歩が届かない…
そんな時は、「今使っているその視標以外にも柔軟に試してみる」ことをおすすめします。
慣れないうちはどうやって視標を選べばいいか手間取り、うまく結果を引き出せずに落ち込んでしまうかもしれません。
今回は、年齢に応じた教科書通りの指標の使い方ではなく、患児の個体差に応じた視標の選び方と記載のコツを解説します。
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小児は性格や発達の早さによって、できる検査にかなりの個人差があります。
年齢に応じた小児の視力検査法は大まかに以下のとおりです。
【使用するもの】 | 【教科書の目安】 |
縞視力 検者の手 ペンライトやレチノスコープ ※手やペンライトは年齢が上がっても使用可 | 生後2、3ヵ月〜1歳数ヵ月 |
森実式ドットカード (絵視標) | 1歳半~ |
(森実式ドットカード) 絵視標 (絵視標がなければハンドル) | 2、3歳 |
(森実式ドットカード) 絵視標 ハンドル(字ひとつ) | 3歳~ |
絵視標 ハンドル(字ひとつ) | 4歳~ |
(絵視標) ハンドル(字ひとつ) 口頭、指さし(字ひとつ) | 5歳~ |
※6歳以降は、正常眼であれば字づまり指標も可能(読みわけ困難が疑われる場合は字ひとつと交えながら経過を見る)
【可能な検査】
乳児でも、やり方次第で屈折、固視、斜視の状態を把握できます。
縞視力がない施設も多いため、ペンライトやレチノスコープを使った検査や、手で片眼を隠して嫌がるそぶりがないかを確認します。
例えば、30cmの距離で左右それぞれの動向に光を当て、眼底からの反帰光の明るさに左右差があったとすると…
この場合、「少なくとも屈折に左右差があるのではないか」「不同視の可能性があるのではないか」という目安になります。
その後、カルテには使った道具や所見を残しておきます。
この確認だけでも十分「屈折検査ができた」と判断できます
【できる検査】
森実式ドットカードがあれば、次のような声かけから始めます。
「○○ちゃんのおめめはどこかなー?」
と聞き、答えられれば検査はスムーズに始められます。
答えられなくても0.1視標のカードを見せ、
「ウサギさんのおめめはどこ? “ここだよ!”って(保護者)に教えてあげて!」
と聞き、できそうであれば開始します。
目が小さくなると適当に指をさす子もいるので、ときどき目のないウサギを混ぜてください
ドットカードがない場合は、乳児と同じようにペンライトで角膜反射や手を使って嫌悪反射を見て下さい。
2歳児は1.0を狙って視力検査をする必要はなく、
前回より上手にできて(視力が上がって)いればいい
という視点で臨みます。
森実式ドットカードは早く卒業したいところなので、積極的に絵視標を使った視力検査を始めた方がいい
でしょう。
「まだ無理かな?」と思っても、思っている以上に絵視標ができる子が多いですよ!
絵視標がない場合は、ハンドルを持たせてみてサンプルと同じ向きができるかどうか試します。
結果的にこの時は検査ができなくとも、ハンドルを使うことを慣れさせるのに効果的です。
3歳になりたての子には
4歳に近い子には
のように、年齢を前半と後半に分けて考えてみます。
3歳では正常であれば1.0は出るはずですので、まずは1.0が出ているか確認。
そして、ここで「絵指標で1.0が出たから終わり」ではなく、時間が許せば絵指標→ランドルト環(ハンドル)で1.0を目指してみて下さい。
検査を始める時はなんとなく右眼→左眼で行うのではなく、
を確認してからにして下さい。
4歳で字ひとつのハンドルで軽々とやってくれる子もいれば、絵視標を織り交ぜながらでないと集中が続かない
子もいます。
例えば、右眼から検査した場合、
ということもあれば、
のように視標が混在することもあります。
上記の場合、「次回は左眼からハンドルで検査して下さい」のようにカルテに残します。
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5歳くらいになると検査自体はだいぶ上手になってくるため、口頭や指さしでの回答ができるようになります。
ただし集中力が尽きたり、気分のムラがあったりすると、
といったこともあるので、字ひとつをあきらめ、どうにも進まないときは絵視標に戻す判断も必要です。
どの年齢でも、異なる視標で評価する際は、必ずカルテにその旨を記載して下さい
字づまり視力は使う?(デジタル視力台の場合)
正常視力の小児にあえて字づまり視力を使う必要はないかもしれません。
字づまり視力は弱視治療の経過をみたり、読みわけ困難の経過の評価に用いたりします。
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小児の視力検査の結果をうまく引き出すには5つのコツがあります。
小児の発達には個人差があるので、検査の対象年齢はあくまで目安です。
その子の発達に応じて臨機応変に視力検査の視標を変えてみて下さい。
例
3歳の子なら絵視標ができると思って始めたが、集中力を欠いてぐずってしまった
その上で、「今日は何と何の視標を使い、どこまでできたのか」を記載する
など
視力検査は必ず患眼または前回視力が出にくかった方から検査します。
小児は飽きやすい上に、視力が出ない方の目の検査を嫌がり、不快感から全く検査をしてくれないという可能性があるからです。
再診の場合は前回の値があるのでわかりやすいですが、初診の場合は手がかりが限られています。
視力検査を始める前に上記をチェックし、どちら眼から始めるか素早く判断してください。
小児の視力検査はつねにタイムリミットとの闘いであり、リミットは子どもそれぞれの年齢や性格に大きく左右されます。
以上のことを頭に叩き込んでから検査を始めます。
小児の検査は思うように進まないことの方が多く、この場合はダラダラ検査を続けても逆効果です。
例:前回、絵指標で0.8まで出た飽きやすい3歳
例:どうしても右眼の視力が出にくい飽きやすい4歳
一旦休憩をはさんだり、検査の順番を変えても検査が進まない場合には、その旨をカルテに記載しておきます。
検査を切り上げたときには、
「今日はここまで出来たね。次は◯◯もやってみようね!」
と次につながる声かけをしておくといいですね。
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子どもは楽しい雰囲気やゲーム感覚が大好きなので、楽しく検査ができるよう、機転を利かせた道具やパフォーマンス
による雰囲気作りが必要です。
など
また、正答した時に
「うわ!すごい!こんなのも見えちゃうの?」
「これは難しいかもよ~?…わー!大正解!!びっくりしちゃった!」
などとハイテンションで盛り上げ、ガッツポーズや拍手を交えて小児の気分を良くするパフォーマンスも大切です。
ただ検査するだけでは小児を飽きさせてしまうので、声のトーンを明るくしたり、視力検査をゲームに見立てたりして工夫してみて下さい。
視能訓練士である私たちが楽しそうにしていると、お子さんも雰囲気にのまれて(?)楽しんでくれることが多いです
視力検査時に出来なかったことは必ずカルテに記載し、次に誰が担当になっても検査がしやすいように情報を
共有しましょう。
また、検査時の小児の様子は診察や治療方針の参考事項となります。
カルテに記載しておくと次回の検査がスムーズになり、医師にも伝わりやすいので、検査後は必ず記載してください。
小児の視力検査は慣れないうちはどうしても尻込みしてしまいがちです。
重要なのは、「最速で最善の結果を得るためにはどうすればいいか」を常に考えながら行うこと。
今回ご紹介した視力検査法やコツを踏まえて、小児や保護者の方とのコミュニケーションも大切にしながら少しずつスキルアップして下さい。
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