採用ノウハウ

視能訓練士の採用はなぜ難しい?構造的な3つの理由と眼科クリニックができる対策

公開日: 更新日:
監修者 依田龍之介

監修:依田龍之介(視能訓練士・株式会社Contact代表)

視能訓練士国家資格保有・株式会社Contact代表として眼科クリニックの採用支援を専門に行う

視能訓練士の採用が難しいのは、個々の医院の努力不足ではなく、①有資格者の少なさ ②地域偏在 ③転職希望者が求人媒体に現れにくいことという3つの構造的な要因が重なっているためです。この構造を理解すると、打つべき対策も見えてきます。

「求人票を工夫しても応募が増えない」と感じている場合、原因が求人票そのものではなく、その手前にある採用市場の構造にあることは珍しくありません。まずは何が起きているのかを分解して理解することから始めましょう。

理由①:有資格者が構造的に少ない

視能訓練士の資格保有者と就業者数のギャップ

視能訓練士は国家資格保有者が全国で約2万人、そのうち常勤換算で就業しているのは約1万人程度とされています(厚生労働省、2023年)。医療職の中でも有資格者数が特に少ない職種のひとつで、1人を採用するまでに時間がかかりやすい職種です。

さらに、資格保有者の全員が常勤として働いているわけではありません。育児や家庭の事情で非常勤を選ぶ方、資格を保有しながら別の働き方をしている方も含まれるため、「今すぐ転職を考えている常勤希望者」の実数は、資格保有者数よりもさらに少なくなります。母集団の小ささは、求人票の工夫だけで埋められる差ではないという前提を持つことが、最初の一歩になります。

理由②:地域偏在がある

視能訓練士の養成校は数が限られており、卒業後もその地域で就職・定着するケースが多く見られます。一般論として、都市部では複数の医療機関が同じ人材を奪い合う状況が生まれやすく、地方や新規開業の医院ではさらに採用が長期化しやすい傾向があります。

これは求人票の書き方だけでは解決しにくい要因です。地域によっては、養成校とのつながりや紹介会社のネットワークなど、求人票の外側にあるチャネルを併用する必要があります。同じ条件の求人でも、立地によって集まりやすさが大きく異なるのはこのためです。「近隣の医院も同じように苦戦している」という前提を持ったうえで、対策を考えることが現実的です。地方や郊外の医院ほど、養成校の卒業生や紹介会社が把握している遠方の候補者へどう接点を持つかが、採用成功の分かれ目になりやすい傾向があります。

理由③:転職希望者が求人媒体に現れにくい

視能訓練士は在職中の方が多く、転職を考え始めた段階ではまず知人や職場のつながりを通じて情報を集める傾向があります。求人媒体に登録・応募するのは、転職の意思がかなり固まった後の段階であることが多く、その手前にいる「潜在層」は一般的な求人媒体には現れません。

この潜在層にアプローチできるかどうかが、採用のスピードを大きく左右します。求人を掲載して待つだけでは、この層に届かないためです。加えて、視能訓練士は若い世代の割合が比較的高い職種と言われており、結婚・出産・配偶者の転勤といったライフイベントが転職のきっかけになるケースも見られます。こうしたタイミングは求人媒体上では可視化されにくく、日頃から接点を持つ紹介会社を通じて把握されることが多いのが実情です。

つまり、求人票の完成度が高くても、そもそも「見ている人」の数が少ない状態では、応募数には限界があります。採用が難しいと感じたときは、求人票の中身だけでなく「誰に届いているか」まで視野を広げて考える必要があります。

眼科クリニックができる対策

構造的な要因は個々の医院の力だけで変えることはできませんが、その中でできる対策はあります。3つの理由に対応させると、次のように整理できます。

  • 求人票の見直し:検査機器・業務範囲・教育体制など、専門職が知りたい情報を具体的に記載する(詳しくは眼科の求人に応募が来ない5つの原因と対策で解説しています)。母集団が小さい職種だからこそ、限られた候補者に確実に届く求人票にする価値があります。
  • 募集チャネルの複線化:総合型の求人媒体だけでなく、日本視能訓練士協会の求人掲載制度や専門媒体、SNSなど複数のチャネルを組み合わせる。地域偏在がある以上、1つのチャネルに頼らないことがリスク分散になります。
  • 専門特化の人材紹介の活用:在職中の潜在層は求人媒体に現れにくいため、視能訓練士に特化した紹介会社の候補者ネットワークを活用することで、この層への接点を持ちやすくなります。

専門特化の紹介会社を活用する意味

在職中の潜在層への接点は、日頃から視能訓練士とつながりを持つ紹介会社だからこそ持ちやすいものです。参考として、Contactキャリアは視能訓練士2,600名超の登録ネットワークを持ち、70項目のスキル診断で候補者の強みを事前に可視化したうえで、全国の眼科クリニックへご紹介しています。費用は完全成果報酬で、採用した方が初回出勤に至った時点のみ発生する仕組みです。「自院採用だけでは限界を感じる」という段階になったときの選択肢として、押さえておくとよいでしょう。

まとめ

  • 視能訓練士の採用が難しいのは、①有資格者の少なさ ②地域偏在 ③転職希望者が求人媒体に現れにくいという3つの構造要因が重なっているため
  • 構造要因は医院の努力だけでは変えられないが、求人票の見直し・チャネルの複線化・専門特化の紹介活用で対策できる
  • まずは求人票の内容から見直し、それでも改善しない場合はチャネルを広げることが基本の流れ

採用が長期化すると、現場の負担が増えるだけでなく、診療体制そのものにも影響が及びます。「なぜ難しいのか」という構造を理解したうえで対策を組み立てることが、遠回りに見えて、結果的には最短の道になります。

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よくある質問

新卒と中途、どちらが採用しやすいですか?

一概にどちらが有利とは言えません。新卒は養成校との関係構築に時間がかかる一方、中途は在職中の潜在層にどう接点を持つかが課題になります。多くの医院は両輪で取り組んでいます。

一人職場(視能訓練士1名体制)は採用で不利になりますか?

相談できる同職種がいない環境は、応募をためらう要因になり得ます。教育体制やフォロー体制を求人票で具体的に示すことで、不安を和らげられます。

採用の難しさに対して、まず何から始めるべきですか?

まずは求人票の内容が専門職に伝わる書き方になっているかを見直すことをおすすめします。それでも改善しない場合は、募集チャネルを複線化したり、専門特化の人材紹介を活用する方法があります。

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