年収が低いのは「視能訓練士だから」ではない!誰でもできる給料UPの3つのステップ
「斜弱が苦手なので、眼科を掛け持ちしてスキルを磨いてます!」
「私、GPと眼鏡処方が得意です!」
でも年収上がりません!!(泣)
給料が努力に見合っていないと感じるあなたは、「頑張れば給料が上がるはず」と思っていませんか?
実はそれ、ちょっと間違っています。
年収アップに必要なのは技能を磨くだけではなく、
一定以上の能力を身につけた上で、何がどのくらいできているのか客観的に評価し、あなたを必要とする眼科医に見せること
です。
本記事は、
- どう頑張れば年収が上がるのか解決策がわからない人
- すでに優秀なのに院内での評価が変わらず不満がある人
が年収を上げるための方法を示す内容です。
現状に不満がある人だけお読み下さい。
年収に不満がある視能訓練士3つのタイプ(あなたはどれ?)
今の年収に不満があり「給料が見合っていない」と嘆く視能訓練士には、次の3つのタイプがあります。
①指導者レベルのマスタータイプ
マスタータイプは以下のようなスキルをすでに身につけています。
- 一通りの検査を指導できるレベル
- 学会発表できる、経験がある
- 論文を読める、書ける
- 院内勉強会を主催できる
- 視能訓練士以外のスキルを持っている(レセプト、IT、Web関連など)
- 人事採用に携わっている
転職や外勤によって、GPや弱視訓練など幅広い検査の経験を持ち、各検査を指導できるレベルにまで到達している優等生です。
臨床以外の活動やスキルも習得している、視能訓練士としてトップクラスの存在ですが、なぜか昇給率は他のスタッフと同じで、特別な評価をされていません。
②スキルアップに励むやる気タイプ
やる気タイプは次のような努力をしている人です。
- スキルを磨くために眼科の掛け持ちをしている
- 積極的にセミナーに参加している
- 積極的に勉強会に参加している
- 学会に参加している
- 視能訓練士協会に入っている
- SNSで情報収集している
やる気タイプは向上心があり、優秀な視能訓練士になるために努力を惜しみません。
しかしまだ、検査の習熟度は①マスタータイプまで達しておらず、視能訓練士以外のスキルは身についていない、または「そんなものが必要だなんて思いもしていない」状況です。
③特に何もしない受け身タイプ
ルーティンで仕事をするだけの受け身タイプは次のような人です。
- 眼科の掛け持ち経験がない
- 医師が求めていることがわからない
- キャリアはあるが指導する気はない
- 「うちの専門じゃないから仕方ない」とできない検査をそのままにしている
受け身タイプは積極性がなく、淡々と仕事をして帰るだけ。帰ったあとは好きなことをして、ストレスを発散するだけの日々を送る視能訓練士です。
仕事との向き合い方、人生の過ごし方は人それぞれなので、この生活がNGとは言えません。
年収について言及したければ、最低でも②やる気タイプになってからにして下さい。
「検査できます!」だけでは年収が上がらない3つの理由
「なぜ年収が上がらないか」の理由は次の3つに分解できます。
①検査スキルがあるのは当たり前
医療者として検査ができる/スキルを磨くのはあまりに当然で、わざわざ評価対象としてアピールすることではありません。
他のリハビリ職でも自主的な学習は当たり前です。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士向けのオンラインセミナー動画配信サービス「リハノメ」には、実に6万人以上の登録者がおり、月額2,000~3,000円を惜しみなく支払ってスキルアップに励んでいます。
医師も医療専門サイトに登録し、診療に役立つ医薬品情報や医療ニュースで知識を磨いています。
医療者にとって、あくまでスキルは雇用されるための前提条件であり、雇用者(医師)にとって医療を行なうための検査はできて当たり前。
視能訓練士だけが「新しい検査を習得したのに給与が上がらない」と訴えても、理解してもらえないでしょう。
とは言え…
筆者も視能訓練士であり、斜弱を専門にしながら網膜硝子体検査をマスターするのは大変でした。
評価してもらいたい気持ちは痛いほど分かります。
看護師は全診療科に対応しなければならず、理学療法士も整形外科だけでなく脳外科や訪問看護に携わっています。
全診療科を学んだ医師にとって、眼科はごく一部の診療科。
「しかも検査だけなんだし、そもそも視能訓練士は眼科検査の専門家だし、できて当然でしょう」と考えるのも無理はありません。
給料を払うのは医師です。
私たちは眼科の勉強しかしていないため、眼科の学ぶ領域の幅広さに苦慮してきました。
しかし、雇用者である医師の気持ちを考えれば、「幅広い検査スキルができること」は当たり前なのです。
② 給料を上げるための価値を高められていない
視能訓練士で給料が上がらない人の多くは、給料を上げるための価値をまだ高められていません。
市場価値の高い視能訓練士とは、上記に挙げた「指導できるレベルのマスタータイプ」のこと。
広く深く検査技術を持った上で、ITスキルやレセプトなど視能訓練士以外のスキルも身につけている人です。
現在検査スキルを磨いている「やる気タイプ」は、まだ年収アップに繋がる市場価値を高められていないため、もう一歩アクションすることが必要です。
③適切な判断基準がない
どれだけ「マスタータイプ」であっても評価が給料に反映されないのは、
医師が「客観的な評価」(この人、他の人と比べてどのくらい凄いの?)を調べる手段がなかったから
でした。
「誰にどのくらいの市場価値があるか」という、透明性を持った判断基準がないために、医師は視能訓練士にいくら給料を支払うのが適切かわからないのです。
そのため、給与の決め方は
- 年齢(経験年数)
- 前職の給与と同じくらい
- 他のスタッフと同じくらい
- 大体視能訓練士ってこのくらいだよね
という根拠の少ない決め方になってしまいます。
適正年収を上げるための3つのステップ
視能訓練士が年収を上げるためには、次の3つのステップを着実に進んで下さい。
ステップ①市場価値を可視化する
まずは自分のスキルを、医師が見てもわかるような形にして「見える化」しなければ意味がありません。
前述の通り、マスタータイプの視能訓練士でも年収が横ばいだったのは、せっかくの能力が医師に見えなかったからです。
また、自分自身でも何のスキルが足りていないのか、客観的に把握できていませんでした。
Contactでは視能訓練士としてのスキルを見える化するための「視能訓練士スキル診断」を提供しています。
診断で使用するスキルシートは、
- 技術を要する検査や視能訓練士以外の能力をどれだけ習得しているのか
医師にはっきりわかるように設計されています。
スキルシートによりマスタータイプはもちろん、熟練度の上がった努力家の視能訓練士も、
「何がどのくらいできて何を習得中なのか」
がわかり、能力に応じた評価がもらえるようになるのです。
ステップ②検査・非検査・学術スキルを上げる
スキルを見える化したら、足りていない視能訓練士スキルと検査外スキルの熟練度を上げ、その価値を高めます。
- GP
- 眼鏡処方
- 斜視・弱視関連
- Aモード・Bモード
- ロービジョン
- ERG
など
一つの施設ですべて習得するのは難しいので、眼科の掛け持ちや転職によって「未経験→不得意→できる→指導できる」レベルまで身につけます。
- レセプト
- 人材マネジメント
- IT
- Web運営
- SNS運用
など
人件費やホームページ運営費の削減に役立ち、眼科以外の業務も依頼しやすいマルチなスキルです。
書籍やスクールで自主的に能力を伸ばすほか、医師の信頼を得られるような人間性も兼ね備える必要があります。
ステップ③正しく評価してくれる施設を選ぶ
視能訓練士スキルの価値を高めたら、あとは自分を正当に評価してくれる施設を選ぶだけです。
これまで適切な評価をされてこなかったので、今の職場では年収が上がりませんでした。
これからは、あなたの価値を正しく見極め、給料に反映してくれる施設へシフトする必要があります。
スキル診断を受けた方は、人材を探している医師から直接採用オファーを受けることも可能です。
※ オファー時に個人が特定される情報が開示されることはありません。
実際にあった採用オファー内容
施設A
- 募集職種:視能訓練士
- 現在の月給:35〜36万
- オファー時に提示された月給:37~39万円
オファーされた視能訓練士のレベル
- マスタータイプ
- 検査はほぼすべて一人でできる
- 検査外のスキル有(受付、オペ室、ITスキル)
施設B
- 募集職種:視能訓練士
- 現在の月給:27〜28万
- オファー時に提示された月給:30~32万円
オファーされた視能訓練士のレベル
- 熟練度の高いやる気タイプ
- 多くの検査を一人でできる
- 検査以外のスキル有(オペ室、指導経験)
医師は、自分が欲しい能力を持った視能訓練士をスキル診断の評価から判断し、能力に見合った給料を提示してオファーします。
能力の高い視能訓練士とわかれば、医師は給料の出し惜しみをしません。
視能訓練士はオファーが来た眼科の給料や施設の概要を確認し、自分を高く評価してくれる眼科を選べばいいのです。
まとめ:年収を上げたいなら市場価値を診断しよう
給料に不満があるなら、さっそく視能訓練士のスキルを診断をしましょう。
自分で自分の価値がどれほど上がったのか評価しづらく、アピールしにくいのが現状です。
スキルを見える化しないことには、そのスキルを探している人に届かず、いくら価値を高めても埋もれたままになってしまいます。
視能訓練士スキル診断は、これまで問題だったスキルと待遇の矛盾を一挙に解消できる手段です。
「給料の横ばいに飽きた」というあなたは、ぜひ活用してみて下さい。